星海社新書 才能のあるヤツはなぜ２７歳で死んでしまうのか？

シモンズ，ジーン【著】〈Ｓｉｍｍｏｎｓ，Ｇｅｎｅ〉/森田 義信【訳】

星海社（2021/05発売）

• サイズ 新書判／ページ数 293p／高さ 18cm
• 商品コード 9784065235102
• NDC分類 702.8
• Cコード C0236

出版社内容情報

美化していい死など、ないーーすべての痛みに寄り添うジーン・シモンズの言葉

薬物依存や精神疾患により成功の頂点で夭逝した天才たちに共通する奇妙な事実、享年「27」ーー「27クラブ」と括られたこの痛ましい偶然に人々は心を奪われ、果てはその死を美化するまでに至った。本書は、いまなおシーンの最前線に君臨するロックバンドKISSのフロントマン、ジーン・シモンズが、「27クラブ」のメンバーであるジミ・ヘンドリックス、カート・コベイン、エイミー・ワインハウス、バスキアなど総勢13名の天才たちが自己破壊に至ってしまった過程を丹念に辿る。そして彼らが抱えていた孤独や痛みに真摯に向き合い、後世に遺した偉大な功績に新たな光を当てる。ジーンは本書を通じて、困難に直面しているすべての現代人に、「生きろ」と語りかける。

ーーー
なぜ、僕は生きているのだろうか？
ジーンが記してくれたスターたちの若すぎる死の神話から
僕が生きる意味を、もう一度問い直したいーー。

YOSHIKI

＊本書帯に寄稿
ーーー

＜ジーン・シモンズが言及する「27クラブ」のアーティストたち＞
ブライアン・ジョーンズ

ジミ・ヘンドリックス

ジャニス・ジョプリン

ジャン＝ミシェル・バスキア

カート・コベイン

エイミー・ワインハウス

アヴィーチー

アラン・”ブラインド・アウル”・ウィルソン

ロン・”ピッグペン”・マッカーナン

ジョナサン・ブランディス

オーティス・レディング

ティム・バックリー＆ジェフ・バックリー

＜「27クラブ」への科学的アプローチ＞
ジェイムズ・ファロン博士（神経科学者）インタビュー

ーーー
（本書の意図は）自己破壊などしなくても、この本でとりあげた人々はすばらしい仕事をしたのだと明らかにすること。早逝や精神的混乱や中毒との戦いが彼らの遺産をさらに輝かせるなんて、そんなことがあってはならないし、彼らの物語の焦点になってはならない。逆に言えば、私たちの悲しみはまっとうな悲しみであるべきだ。壁にぶちあたるのはなんてクールなんだ、などという妙な但し書きに飾られたものであってはならない。もし私たちが、死の魅惑などただの神話に過ぎないとしっかり認識すれば、次世代の若き偶像(アイコン)はそんな流れを引き継ぐ必要など感じずにすむかもしれない。

ーージーン・シモンズ

＊本書イントロダクションより

内容説明

薬物依存や精神疾患により成功の頂点で夭逝した天才たちに共通する奇妙な事実、享年「２７」―「２７クラブ」と括られたこの痛ましい偶然に人々は心を奪われ、果てはその死を美化するまでに至った。本書は、いまなおシーンの最前線に君臨するロックバンドＫＩＳＳのフロントマン、ジーン・シモンズが、「２７クラブ」のメンバーであるジミ・ヘンドリックス、カート・コベイン、エイミー・ワインハウス、バスキアなど総勢１３名の天才たちが自己破壊に至ってしまった過程を丹念に辿る。そして彼らが抱えていた孤独や痛みに真摯に向き合い、後世に遺した偉大な功績に新たな光を当てる。シモンズは本書を通じて、困難に直面しているすべての現代人に、「生きろ」と語りかける。

目次

ロバート・ジョンソン
ブライアン・ジョーンズ
ジミ・ヘンドリックス
ジャニス・ジョプリン
ジム・モリソン
ジャン＝ミシェル・バスキア
カート・コベイン
エイミー・ワインハウス
そして彼らもまた
２７歳前後
２７の科学―ジェイムズ・ファロン博士へのインタビュー
最後に一考―アヴィーチー、そして未来

著者等紹介

シモンズ，ジーン［シモンズ，ジーン］ ［Ｓｉｍｍｏｎｓ，Ｇｅｎｅ］
ロック・バンドＫＩＳＳを作ったメンバーのひとり。ＫＩＳＳはアメリカのバンドとして、全ジャンルを通じ史上最多のゴールド・ディスクを獲得（ＲＩＡＡ）。２０１４年にはロックンロールの殿堂入りも果たし、結成から４８年たった今もロック界で多大な影響力を誇るグループであり続けている。著述家でもあり、また、レストラン・チェーン『ロック＆ブリューズ』をはじめとするいくつものビジネスを大成功させた起業家でもある。事業に関係したマーチャンダイジング・ライセンスも２５００以上。カナダのカナビス会社、インヴィクタスのチーフ・エヴァンジェリスト・オフィサーもつとめる。Ａ＆Ｅ局では２００６年から２０１２年、７シーズンにわたって『ジーン・シモンズ：ファミリー・ジュエルズ』の出演者兼エグゼクティブ・プロデューサーをつとめた（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Roko]

ジーン・シモンズは、この本の中で何度も「依存症に対する誤解」を謝罪しています。依存症なんて本人がだらしないだけだと、世間も自分も信じていたけれど、これは自分1人では治すことができないたいへんな病気なのだということを知ってから、依存症に対する考え方が変わったというのです。ジーンは早死にする人たちのことを心から残念に思って、この本を書いたのだろうと思います。そして、この言葉が心に残るのです。「人生っておかしなもんだよな。誰もトシなんかとりたかないのに、若死にもしたくないんだからさ（キース・リチャーズ）」

2021/06/26

[TSUBASA]

ジミ・ヘンドリックス、ジム・モリソン、カート・コベインなど、多くの天才が２７歳で命を落としている。成功を極めた後の苦悩から逃れるため、酒やクスリに溺れて亡くなるスターたちが神格化されることへ、キッスのジーン・シモンズが待ったをかける。あんなド派手な出で立ちだけど世界的に成功を掴んだ人だけあって知的な印象。パワフルゆえに鬱や精神疾患に長年理解がなかったようだが、近年考えを改めたようだ。いつだって聴衆は好き勝手言って、ゴシップライターはアーティストを追い詰めようとする。どんなカリスマだって人間なのにね。

2021/08/02

[くさてる]

キッスのジーン・シモンズによる、成功の頂点で夭折した天才音楽家たちの人生を紐解くもの。成功したロックミュージシャンであるにも関わらず、酒も麻薬もやらずにビジネス感覚に長けたシモンズが、そうでないまま名声の罠にはまって若くして命を落とした人々に向ける視線は、やさしくいたわりに満ちている。けれど同時に、読者に向けて「こうであって良かったわけはない、だろう？」と語りかけるその姿勢は名声やショービジネスが人を蝕む罠について知り尽くしたひとならではのシビアなものだと思う。良かったです。

2022/01/02

[ぬぬよよ]

ニルバーナは世代なので、カート・コバーンの考察は興味深かったです。あと、著者の見てくれと性格が真面目というギャップが良かったです。楽しめました。

2022/02/08

[Akiro OUED]

ヒトの脳は、25歳で完成するらしい。未完の前頭葉は、外部から強い刺激を受けるアーティストが生み出す、ぶっ飛んだアイディアの発散を抑制しない。ふーん、アーティストをサイコパスに置き換えるとアブないな。創造性を維持するために、脳を改変できたとしても、寿命が代償になるのかも。好著。

2021/06/14