講談社学術文庫<br> 古典について

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講談社学術文庫
古典について

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  • サイズ 文庫判/ページ数 232p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065231807
  • NDC分類 121.04
  • Cコード C0195

出版社内容情報

 日本書紀の時代から、この国の基盤には大陸から摂取した文明の影響がありました。営々と築き上げられてきた日本の漢学文化は、中国古典の碩学、吉川幸次郎(1904-80年)の目にどのように映じていたのでしょうか。
 ふとしたことで手にした本居宣長『うひの山ぶみ』によって、宣長の「信徒」となったと告白する著者は、江戸時代に日本の漢学の全盛を見ます。伊藤仁斎や荻生徂徠を生んだ元禄・享保期の儒学と、戴震や段玉裁、王念孫ら清朝の儒学に共通性を見出して、それを「近世の覚醒」と名付け、日本における覚醒が実は100年近くも大陸に先んじていたことを指摘します。
 江戸時代に頂点を極めた漢学が、明治になって文化そのものが根本から変容していくことを万葉集の偏重に象徴的に見る第1部「古典について」、古代から江戸末期にいたる日本の漢学受容という類のない通史をコンパクトに描いた第2部「受容の歴史」、そして著者が愛してやまない儒者たちを素描した第3部「江戸の学者たち」。日本思想の基層をなす漢学という視座から、この国の学問的伝統を再発見する極上の教養書です!

【目次】
1 古典について
古典について――あるいは明治について
一 明治の記憶/二 明治への距離/三 明治の得失/四 万葉と古今/五 詩における理知/六 学術の文章/七 美と真の共存/八 注釈の学/九 辞典の学/一〇 日本書紀/一一 書紀学の変遷/一二 東洋史学/一三 太平

2 受容の歴史
受容の歴史――日本漢学小史
一 日本における外国文明の受容/二 そのインドその他との対比/三 文学および文学教育における受容/四 学問一般における受容/五 外国文明受容の心情/六 外国文明受容の歴史/七 受容の歴史のはじめ/八 空海その他/九 菅原道真/一〇 受容の中だるみ/一一 中国新文明の受容/一二 五山の禅僧/一三 江戸時代における受容の教育/一四 江戸時代における外国書の輸入と覆刻/一五 家康の政策/一六 藤原惺窩/一七 林羅山/一八 朱舜水その他/一九 伊藤仁斎 その一/二○ 伊藤仁斎 その二/二一 荻生徂徠 その一/二二 荻生徂徠 その二/二三 荻生徂徠 その三/二四 荻生徂徠その四/二五 江戸末期における受容/二六 むすびと希望

3 江戸の学者たち
仁斎と徂徠――論語古義と論語徴
伊藤仁斎
古義堂文庫
仁斎と小説
古義堂
二つの伊藤仁斎論――スパアとツアトロフスキ
伊藤東涯
安積澹泊
本居宣長――世界的日本人
一冊の本――本居宣長『うひ山ふみ』
学問のかたち
中京の二学者――河村秀根と岡田挺之と
息軒先生遺文続編の序
解 説(小島 毅)

内容説明

中国古典文学の泰斗、吉川幸次郎(一九〇四‐八〇年)。その目に、江戸の学者、伊藤仁斎や本居宣長らの著作はどう映ったのか。日本書紀の時代から連綿と続く大陸文化の受容史を繙く。そして清朝の儒学との比較を交えつつ、本場をも凌ぐ江戸の漢学が達した境地を描きだす。そこにはこの国の古き良き学問的伝統のあり様が浮かび上がる。

目次

1 古典について(古典について―あるいは明治について)
2 受容の歴史(受容の歴史―日本漢学小史)
3 江戸の学者たち(仁斎と徂徠―「論語古義」と「論語徴」;伊藤仁斎;古義堂文庫;仁斎と小説;古義堂;伊藤仁斎の墓;二つの伊藤仁斎論―スパアとツァトロフスキ;伊藤東涯;安積澹泊;本居宣長―世界的日本人;一冊の本―本居宣長「うひ山ぶみ」;学問のかたち;中京の二学者―河村秀根と岡田挺之と;「息軒先生遺文続編」の序)

著者等紹介

吉川幸次郎[ヨシカワコウジロウ]
1904‐80年。兵庫県生まれ。京都帝国大学文学部文学科卒業。京都大学名誉教授。日本芸術院会員を務め、文化功労者として顕彰された。専門は、中国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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崩紫サロメ

19
中国文学の大家吉川幸次郎の『古典について あるいは明治について』(1966年)の文庫版。明治という「偉大な時代」に失われた学術文章の美しさ、注釈の学についての思い。歴史学の興隆の中で、意味に重きを置き、言語そのもののもつ心理のきめが失われた。それに対し、江戸時代の伊藤仁斎、荻生徂徠、本居宣長に焦点をあて、「言」「心」「事」の関係について論じる。みな、それぞれに音、リズムを含む「言」に誠実に向きあい、「古典と一体となった」。明治に失われ、今も更に失われていくものに、思うところが大きい。2021/05/13

あんどうれおん

3
中国の古典文学に関係ある領域では必ずと言ってよいほど名前を見かける大御所の論考集。おもに江戸時代の漢文や儒学について考察されています。後半は伊藤仁斎とその長男にして後継者でもある伊藤東涯への賛辞で満ちている気がしました。かろうじて仁斎の名に聞き覚えがある程度の身には難解な印象もありますが、総じて興味深い比較文化論だと思います。2021/10/11

かとうさん

2
漢籍、漢文からみた日本の、近世の学問する知性の話。橋本治の近世の見方に何か近いものがある気がする。というか、おそらく橋本治も読んでるでしょ。 2024/10/22

kahki1234

2
明治は偉大な時代であり、多くのものを得たとともに、多くのものを失った時代でもあった。それはあまりにもいそがしすぎる時代であったため、それまでの日本の文明が持っていたきめのこまかさが急速に失われて、きめの荒い文明となってしまった。そのように失われたもののひとつとして注釈の学がある。伊藤仁斎は論語古義、荻生徂徠は論語徴、本居宣長の古事記伝はいずれも対象とした古書に対する精緻極まる迫力ある注釈である。注釈者は対象とする書物の言葉の精密な検討から出発して、著者の心理にわけいっていく精緻さをもっている。2024/09/27

Go Extreme

2
古典について―あるいは明治について: 明治の記憶 明治への距離 明治の得失 万葉と古今 詩における理知 学術の文章 美と真の共存 注釈の学 辞典の学 日本書紀 書紀学の変遷 東洋史学 受容の歴史―日本漢学小史 江戸の学者たち: 仁斎と徂徠―論語古義と論語徴 伊藤仁斎 古義堂文庫 仁斎と小説 古義堂 伊藤仁斎の墓 二つの伊藤仁斎論―スパアとツァトロフスキ 伊藤東涯 安積澹泊 本居宣長―世界的日本人 一冊の本―本居宣長『うひ山ぶみ』 学問のかたち 中京の二学者―河村秀根と岡田挺之と 息軒先生遺文続編の序2021/07/25

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