出版社内容情報
司令長官として「大和」とともに沈んだ父。沖縄へ出撃した特攻機で散った息子。二人を追うように娘を残して逝った母。伊藤が植えた桜は、今もその命日を忘れない。
山本五十六に最も信頼された男が家族を思うとき
内容説明
太平洋戦争末期、沖縄へと向かう戦艦「大和」に乗艦予定だった少尉候補生らの命を救ったのは、司令長官・伊藤整一の英断であった。九州の農家に生まれ、海軍の中枢にまで上り詰めた伊藤の、真珠湾攻撃以降の苦悩、「大和」での最期。信念に満ちた生涯と家族との絆を多数の証言から克明に描くノンフィクション。
目次
第1章 若い命を救った長官の決断
第2章 有明海が育んだ偉丈夫
第3章 士官として父として
第4章 山本五十六が信頼する軍令部次長
第5章 敗戦責任そして戦艦「大和」へ
第6章 だしぬけの海上特攻命令
第7章 伊藤司令長官の死
第8章 神風特攻・叡の戦死
第9章 戦死を信じられなかった母
第10章 校長室の戦艦「大和」
著者等紹介
中田整一[ナカタセイイチ]
ノンフィクション作家。1941年熊本県生まれ。1966年九州大学法学部卒業後、NHK入局。プロデューサーとして、現代史を中心としたドキュメンタリー番組の制作にたずさわる。退局後、大正大学教授を経て、執筆に専念。2005年刊行の『満州国皇帝の秘録 ラストエンペラーと「厳秘会見録」の謎』(文春文庫)にて毎日出版文化賞と吉田茂賞、2010年『トレイシー 日本兵捕虜秘密尋問所』(講談社文庫)にて講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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