出版社内容情報
幼いころに迷い込んだ山奥の洋館。そこで出会った、すいこまれるように深い緑の髪の少女に、信彦は心を奪われる。やがて時を経て再び少女――明日香に会ったとき、彼女に課せられた運命が二人をのみ込もうとする。明日香の髪に秘められた力、彼女の正体、そして帰るべき場所とは。表題作ほか、2編を収録。
内容説明
幼いころに迷い込んだ山奥の洋館。そこで出会った、すいこまれるように深い緑の髪の少女に、信彦は心を奪われる。やがて時を経て再び少女―明日香に会ったとき、彼女に課せられた運命が二人を飲み込もうとする。明日香の髪に秘められた力、彼女の正体、そして帰るべき場所とは。表題作ほか、2編を収録。
著者等紹介
新井素子[アライモトコ]
1960年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。’77年、都立高校2年在学中に「あたしの中の…」が第1回奇想天外SF新人賞佳作を受賞し、作家デビュー。’81年に「グリーン・レクイエム」、続く’82年に「ネプチューン」で星雲賞日本短編部門を受賞。’99年『チグリスとユーフラテス』で日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mae.dat
240
そっか。これまでSFと言うジャンルを狭く捉えていた様です。もっと自由度の高いものなんですね( ¨̮ )。40年超前の作品ですが、首尾良く新装版が出てました。表題作を含む3作品。設定は比較的思い付きそうなものばかりに思いましたが、その味付け方は中々凝っていると言うか、独特な物を感じました。他の作品もこんな素子ワールドが展開されているのでしょうか。表題作は、レクイエム感は感じませんでしたけど雰囲気ね。『週に一度のお食事を』は、ドラキュラとの共存の道はないのか妄想が捗る。『宇宙魚顛末記』は、悪魔を茶化すの楽し。2022/09/13
有理数
16
素晴らしい。収録三編ともが傑作。瑞々しく、柔らかで素直な文体と物語が、王道SFの跳躍する想像力や、ミステリに接近した驚きとサスペンスとに、完璧な色合いで融合している。ともすれば可愛らしいキャラクター像ながら、焦燥と大いなる壁にぶち当たったときの深い深い思索の海は、確かな瑞々しさのまま、読み手の想像を超えるような決意へ到達する。そのときの切なさ、美しさといったら。キャラクターや物語と溶け合うアイデア、そこに向かうキャラクター(とりわけ女の子)の、意志や精神の眼差し。これは時代を拓いて当然という他ない。2021/04/30
だんでらいおん
11
【購入本】現代ライトノベルズの先駆者ともいうべき新井素子さん。私が新井さんを初めて知ったのは、小学生のとき。古本屋さんでのコミックを立ち読みしていて、この表題作でもある『グリーン・レクイエム』に出会い、その後しばらくSFファンタジーの世界にどっぷり浸かっていました。そのオリジナル新装版が新刊の平棚に最後の1冊置かれていました。さくっと読めて、最後は悲しい結末のはずなのに、どこか満足感に満たされる。何度でも読みたい。2021/05/03
chiro
9
中学生の頃に読んだ記憶があり、新装版を発見して久しぶりの再読。あれ?こんな話だった?というぐらい全く覚えていなくて笑。こんなに想像力豊かな可愛いファンタジーを読んでいた時代もあったのか…と驚く。2021/08/02
Gaooo
9
懐かしいこの表紙。初めて買った講談社文庫だったかもしれない。ミステリアスな少女、明日香の一人称に、都会の女の子はこんな話し方なのかと衝撃を受けた記憶がよみがえった2021/07/22