内容説明
鬼斬り花魁、瑠璃が率いる「黒雲」と敵対する謎の組織、「鳩飼い」。そのリーダーは瑠璃を吉原に売った義兄、惣之丞だった。二つの組織には、江戸を背負って闘わねばならぬ理由があったことも判明する。己の宿命に衝撃を受ける瑠璃は惣之丞と対峙すべく、素人女たちが身売りをする「地獄」に向かう。注目の第3弾!
著者等紹介
夏原エヰジ[ナツバラエイジ]
1991年千葉県生まれ。上智大学法学部卒業。2017年に第13回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞した『Cocoon―修羅の目覚め』でいきなりシリーズ化が決定。その後、同シリーズを次々と刊行し、人気を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
59
文庫新刊。前巻の驚きから、お内儀の内情、楢紅のまさかの正体、使役している生き鬼達の過去、鳩飼い達の思惑、黒雲への依頼や報酬がどこから来ているのか…などなど世界観を構築する様々な謎が明らかになる怒涛の巻でした!前巻の裏主役が錠吉だとしたら今巻は双子だなあ。瑠璃と双子の抱擁は思いがけず涙が出てしまった。修行で五人衆みな強くなり、心からの繋がりもできて絆が深まり感慨深い。瑠璃の人間としての優しさが際立っていました。うーん、惣之丞の心の闇は深い。何でこんなに拗れちゃったのか!瑠璃は惣之丞も救えるのか?2021/02/27
はつばあば
44
瑠璃率いる黒雲党・・とはいえお内儀お喜久が元締め。それに対抗する鳩飼いの頭領はあの瑠璃を吉原の黒羽屋に売った義兄惣之丞。それぞれの裏には幕府や禁裏と言う支援者の息かかっている。いやぁそんな代理戦争より、わたしゃこの遊女たちの成り行きが哀れで。吉原で着飾る遊女もあれば女郎と呼ばれ春をひさぐ女達も男の獲物でしかない。瑠璃の義兄の母親朱崎、双子の母親鈴代どちらも遊郭で子など認められるわけのない中での出産、子を想う故の母心が愛おしく哀しい。鬼にならざるを得なかった彼女達。そして鬼を退治するのも遊女・・哀れ也2021/05/27
ざるめ
17
いろんな事がどんどん明らかになっているけれど、悲しく、辛い(T-T)そんな中、禿のひまりが瑠璃に心をひらいたのが嬉しい(^^)2021/04/05
きょん
14
黒雲と鳩飼いの対立する凄惨な歴史や楢紅の正体、彼らのバック迄色々な事が明らかになる第三巻。確かにこれまでの鬼退治とは物語の流れが変わって行く「転」の巻でしたね。瑠璃花魁の想い人との対決や政変の行方も気になる。2021/02/22
ゆきを
14
前作に続き、一気読みでした。派手な戦闘描写の代わりに、これまで分からなかった人間関係がはっきりしました。瑠璃は今後どうするのか。うーん、続きが気になります!2021/02/21