内容説明
もうすぐ二十八歳の誕生日を迎える瑞穂が親友からボーイズクラブのカードをもらう。最高の年齢のはずの二十七歳が、セックスはおろかキスさえせずに終わろうとしていた。迷った末クラブに連絡すると…。『娼年』のプレイストーリーの表題作を始め、倒錯、童貞、近親など愉悦の世界を美しく描いた八つの物語。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京都生まれ。’84年成蹊大学卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターとして活躍。’97年『池袋ウエストゲートパーク』で、第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。2003年『4 TEEN フォーティーン』で第129回直木賞受賞。’06年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞受賞。’13年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
141
石田衣良さんらしい一冊まるごとセクシーな作品です。『娼年』のあのひとも登場する作品も収められた短編集です。石田さん作品を読んできている方には、ある意味馴染み?のある作風で、期待どおりと感じれると思います。本作で初めて石田さんワールドにチャレンジとなる方にも、この世界観は楽しめるのではないかと。ただただ無駄に下品にエロチックではない石田さんの筆力はやはりさすがでした。そんな中でもやはり『娼年』からのプレストーリーが一番印象的だったと思われます。サラサラと一時間ちょっとで読了してしまいましたが、楽しめました。2021/01/22
のり
99
「娼年」シリーズのスピンオフを含めた8話の短編集。様々な設定で性を謳歌する人達。おおっぴらには言えない性癖をもっていたり、欲望を制御するのに苦労したり…それでも開放し、理解されればそれは有りなのだろう。楽しむ事が一番良いのだ。それにしても「リョウ」の仕事振りは相変わらず凄い。2021/07/23
よつば🍀
93
「七回目のデート」「ひとつになるまでの時間」「遠花火」「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」「チェリー」「黒髪クラブ」「初めて彼を買った日」「あの静かで特別な夏」性愛をテーマに描いた8話収録の短編集。エロティックで刺激的な描写にドキドキしてしまう。それでも下品さは皆無で、むしろ欲望に対しての真摯さが伝わって来て清々しい程。性を描きながらも、それが生への執着、生きている証の確認作業のようにも感じる。性の趣味、嗜好は人それぞれ。登場人物達のその場面を覗き見している様な後ろめたさを感じながら、美しいエロスに浸った。2021/03/13
優希
78
タイトルからして刺激的です。そしてセクシーな内容。エロスを描いても下品にならないのは石田さんならではでしょうね。2021/02/01
ごみごみ
67
性にまつわる作品が8話。いろんな男女のカタチがあった。好き嫌いはあるだろうけど、どれも美しく表現されているのが凄い。もう少し男女の心の揺れ動く様とか、感情とかを深く知りたかったけど、短編集だからね。サラッと読めてしまう。表題作は映画化もされた「娼年」のプレストーリーとのこと。そちらも読みたくなった。2021/06/12