内容説明
「その自殺、一年待ってくれませんか?」自らの命を絶つことを決意したOLの元に、「死のセールスマン」から、とある取り引きが持ちかけられた。自殺志望者に届いたメッセージを調査すべく、記者の原田が動き出す。「それなりの人生」はつまらないのか。著者の新境地を切り開いた、驚愕のどんでん返しミステリー。
著者等紹介
本多孝好[ホンダタカヨシ]
1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。’94年「眠りの海」で小説推理新人賞を受賞。’99年、『MISSING』で単行本デビュー、「このミステリーがすごい!2000年版」でトップ10入りするなど高く評価され、脚光を浴びる。以後、恋愛、青春小説を超えた新しい静謐なエンターテインメント作品を上梓、常に読者の圧倒的支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
58
あなたには誰かいますか?あなたが亡くなったときあなたが何を考えていたか正確にこたえられるあなたを一番知っている人。私にはいない。人は結局みな孤独の中に生きている。命の価値、生きることの意味、死して初めて感じることができた幸せ。そんなの虚しすぎると他人事に出来ないくらいはその感情、よく知っているつもり。だから死にたいと願う一人の女性の独白が起こした小さな奇跡と優しい救済に心から勇気をもらえた。何者でもないそれなりの人生を送る人達へ向けたエールが詰め込まれた一冊。存在意義を教えてくれるどんでん返しミステリー。2021/03/07
ウィック&ぺディ
29
人生に悲観し、死にたいと考えていた主人公の女性のもとに、一年待ったら楽に死ねるものを与えると謎の「死のセールスマン」が現れる。それと並行して、雑誌記者が不可解な連続服毒自殺者の謎を追う。女性は死ぬまでの一年間で存在意義を見出すことはできるのか。何の予備知識もなく読んでほしいどんでん返しのあるミステリー作品。★★★★☆ 2022/02/15
達ちゃん
27
最後の最後で見事にひっくり返されましたが、生きる意味を見つけることが心に響くなかなかいい話でした。2022/08/17
煮豆
27
前から気になっていた「どんでん返し」系のミステリー。わたしが購入したのは新装版だけどこの上にもうひとつカバーがかかっていて青っぽい表紙でした。死にたいなぁと思っている女性に「その自殺、あと一年待ってくれませんか?一年後苦しまずにラクに死ねる手段を差しあげます。」と死の取引きを持ち掛けられる。その話と交互に連続で毒で自殺をした人たちを追う記者の話しが入ってきて、死の真相や死までの1年をやり過ごしていく描写に引き込まれた。途中、違和感を感じる箇所がありここがどんでん返しとつながっていた。読み応えがあった!2022/03/13
ねなにょ
19
(表紙違い)最初から読者をミスリードしようとしているのがありありとしていて、思った通りの結末。表紙にも「どんでん返し」とあったので、意外性のある展開を期待しすぎてしまったからか? 2022/02/17