感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りらこ
25
歴史の勉強をしていると、その時代その時それぞれが必死に生きていて、それでもみんな鬼籍に入っていて彼らの人生や足跡は、教科書の太字=同じボリュームのような感じで通り過ぎて行く。 市井の人たちにも、同じく人生がある。あの時後ろ姿を止められなかったとしても、あの時はどんどん遠ざかっていく。その遠ざかるものをつなぎ止めるのは記憶。しかし老いはその記憶すらも奪っていく。そんな姿を描き出してしまってこの先どうなるのか。更に深さと哀しさが残酷にも描かれていくのか。本当の幸せってなんだろう?と読後ずっと考えている。2021/02/16
Roko
23
柴ばあは元気そうにしてますが、やっぱり歳には勝てません。最近ぼぅっとしていることが増えてしまいました。豆柴太はあいかわらず、食い意地が張ってます。そして、ぐんぐん大きくなりました。「豆柴太」という名前をつけてもらったのは、そういう意味があったのかという秘密が分かりました。これもみんなの気持ちの表れなのでしょうね。#NetGalleyJP2021/02/16
anne@灯れ松明の火
22
シリーズ2。柴ばあの孫・虎太郎こと豆柴田がどんなに素敵な子だったのかを知り、ますます胸が痛くなる。美波が救われる時は来るのだろうか。成人式を迎えたクラスメイトたちの想いにも胸がいっぱいになった。まだこれからの若い者が先に逝ってしまい、老いた自分が残された柴ばあの慟哭が刺さる。読んでいて、辛くなることも多いけれど、犬の豆柴太の表情や行動、時々挟まれる四コマ漫画にくすっとさせられることも。うまく構成されている。もうすぐ3.11。多くの人に読んでみてほしいシリーズ。 #NetGalleyJP 2021/03/06
JACK
13
☆ 東日本大震災の津波で娘と孫を失い、天涯孤独の身となった「柴ばぁ」が、震災の日に拾った豆柴犬の「豆柴太」と過ごす毎日が描かれる、切ないけど元気をくれる物語。毎日の漁で網に遺骨が掛かっていないか確認してくれる漁師、クラスメイトを亡くした子供たちの成人式、アメリカまで流された遺品。柴ばぁの孫、虎太郎が逃げなかった理由、そして柴ばぁの体に起こった変化には涙が溢れます。これはみんなに読んで欲しい作品です。オススメ。2021/04/14
雪だるま
12
シリーズ2巻目。震災で大切な人を亡くし、それでも明るく懸命に生きる人たち。日常を取り戻したかに見えても、帰らぬ人を想う気持ちは変わらず、待てども待てども帰らぬ人を想い涙が流れる事もある。柴犬の豆柴太が可愛らしく哀しい中にも人々に笑顔を届けてくれています。#NetGalleyJP2021/02/16