内容説明
有象くんと無象くんは、冴えない大学生。モテたい!が脳内をめぐり、他人の恋愛話も気になってしまう。ふたりを凹ましたイケメンくんが、突如奇行に及んだ理由とは?一筋縄ではいかない男女の恋愛問題に箴言を織り交ぜ、性格をそのまま登場人物名にしてきわだたせた新趣向でえがく王道青春コメディー。
著者等紹介
東山彰良[ヒガシヤマアキラ]
1968年台湾生まれ。5歳の時に日本に移る。2002年『逃亡作法 TURD ON THE RUN』で「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞しデビュー。2009年『路傍』で大藪春彦賞、2015年『流』で直木賞を受賞。『罪の終わり』で2016年中央公論文芸賞受賞。2017年『僕が殺した人と僕を殺した人』で織田作之助賞受賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆいまある
90
女性に翻弄される男子大学生を描く短編集。素晴らしい語彙の多さとリズム感。だのに何故。「流」があれだけ面白かったのに、こちらはライトだけど薄味。靴のブランド、香水のブランド、車の車種がきちんと書かれているところは好感度高し。2023/03/26
桜もち 太郎
12
主人公は大学生のイケてない有象君と無象君。連作の短篇集であるが、どの物語も二人のイケてなさ満載だ。有象無象とは世にたくさんある、くだらないものだ。しかし彼らの青春はけしてくだらないものではない。なぜならイケてないなりに一生懸命だからだ。そんな彼らを馬鹿にすることはできない。イケてる女も出てくるが、少しも魅力的ではない。唯一良かった女性の名前はビッチちゃん。実は彼女こそ真の意味でイケている。「人生は笑い事ではない。だからこそ笑いが必要なのだ」人生を達観しているようだ。軽くスラスラ読める一冊だった。2022/05/20
miu
11
大学生の有象くんと無象くん。イケメンくんにモテスギくん、ビッチちゃんに抜け目なっちゃん!あの『流』を書いた東山氏?!学園コメディー、楽しすぎた。ぼんやりした大学生活だったものどから、こんなキャンパスライフうらやましい。ぁぁ面白かった。2021/01/09
S.U.
6
大学生たちのありがちな1年間を描いた連作短編コメディ。ありがち過ぎて、登場人物に名前すら与えられず『有象くん』『無象くん』『本命ちゃん』『イケメンくん』となっていて面白い。『ビッチちゃん』に男子学生たちが翻弄されまくる話『ビッチと呼ばないで』が一番面白かったかなと思います。スマホやSNSが普及して学生達のライフスタイルが変わっても変わらないものってあるのね。東山彰良さんの作品は重めの作品が多い印象だったので、作風の違いに驚きましたが、軽い気持ちで読み始め、軽い気持ちで読み終える事が出来る息抜き本でした。2024/01/15
terukravitz
4
★★★☆☆2020/11/23