内容説明
鎌倉時代の大仏師、運慶とはいかなる存在だったのか。定朝を祖とする正系仏所の流れを汲み法印にまで上り詰めた運慶。朝廷・幕府という二元的支配構造による時代の大きな変動期、院・天皇・将軍・御家人など各種パトロン層の依頼を受けて東大寺・興福寺の復興、東寺、願成就院などの様々な造像に関わった、その実情と、工房主宰者としての制作力とは?後に「天才」とも冠される運慶の実像に迫る。
目次
第1章 造像と仏師
第2章 運慶論の形成と鎌倉時代彫刻史
第3章 「運慶作」の実情―仏像の制作と工房
第4章 背景としての社会構造と造像及び仏師―運慶はいかなる存在か
第5章 鎌倉新様式とは―「写実的」表現と本覚思想
第6章 運慶の事績上の問題点
著者等紹介
塩澤寛樹[シオザワヒロキ]
1958年、愛知県に生まれる。1982年、慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。現在、群馬県立女子大学教授。博士(美学、慶應義塾大学)。専門は日本美術史、日本彫刻史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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