出版社内容情報
書きのこされた「歴史」は、現実に営まれた事実としての「歴史」とイコールではない。神から人へと直線的な時間で編まれた日本書紀と、神がみと人間の時間が併存する古事記。天皇の婚姻系譜における父系と母系。クーデターの正統性と敗者への視点……。過ぎ去った時間を手中におさめたい意志が歴史を編集する。神話と歴史をともに表現行為ととらえ、古代の世界観を検討する。
ベストセラー『口語訳 古事記』を生み出すことになる、通説への疑義と考察に満ちた一冊を大幅にアップデートして文庫化!
内容説明
書き残された「歴史」は、現実に営まれた事実としての「歴史」と同じではない。神から人へと直線的な時間で編まれた日本書紀と、神がみと人間の時間が併存する古事記。天皇の系譜における父系と母系。クーデターの正統性と敗者への視点…。過ぎ去った時間への意志が歴史を編集する。神話と歴史を表現行為ととらえ、古代の世界観を検討する。
目次
第1部 歴史叙述の方法(『日本書』から日本書紀へ―史書の構想と挫折;日本書紀の歴史叙述;古事記の歴史叙述;母系残照―古事記・日本書紀の婚姻系譜;天皇の役割―夢見と呪性)
第2部 歴史としての起源神話(起源としての笑い;イケニヘ譚の発生―農耕の起源;青人草―人間の誕生と死の起源;交わる人と神―境界としての“坂”;起源としての生産・労働・交易)
著者等紹介
三浦佑之[ミウラスケユキ]
1946年、三重県生まれ。千葉大学名誉教授。専攻は古代文学、伝承文学。古事記研究の第一人者にして、通説にとらわれない斬新な論を展開しつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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わたなべよしお
kungyangyi