内容説明
保健室の床下に現れる湯治場のヒミツが、とうとう明らかに…!「かねやま本館。」、シリーズ第3巻!
著者等紹介
松素めぐり[マツモトメグリ]
1985年生まれ。東京都出身。多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。『保健室経由、かねやま本館。』で第60回講談社児童文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
74
児童書。YA。かねやま③8歳年上の姉が父に反発して家を出た姿を見ていたムギは「いつも笑顔でいなきゃ」と無理してでも人に合わせる優しい子。イケメンのナリタクは、イケメンであり続ける努力を怠らないイケメン。一見共通点のないふたりが、かねやま本店で出会う。中学生専用湯治場[かねやま本店]の秘密にせまる。▽今回もいい話でした!小夜子さんの塩むすびが食べたすぎる。2020/11/24
future4227
67
「自分らしく」振る舞っているつもりが、いつの間にか他人から良く見られるためのキャラを演じているにすぎないことに気付くムギとナリタク。そんな二人を湯治場へと誘う謎の第二保健室。ついにかねやま本館や銀山先生の正体も明かされる。そこには美しくも哀しい物語がひっそりと流れていた。二人の考えた素敵な計画は完遂できるのか?何年もの時を経て二人はどうなるのか?運命の糸で二人が手繰り寄せられていくとき、また一つ、月下美人のような美しい大人の物語が新たに始まる予感。2021/01/14
モモ
61
今回も良かった。疲れた中学生専用の湯治場かねやま本館。今回は、港区のマンションに暮らすイケメンのナリタクと、優しいが仲間に邪険にされるムギが主人公。ナリタクは自分のイメージを壊さないように無理している。ムギはみんなの気持ちを気遣うあまり、言いたいことが言えず邪険にされる。小夜子さんの「無理しないで、ありのままでいいんだよ」という言葉がいい。この世界には、たくさんの「休憩処」があるというメッセージが中学生たちに届くといいな。児童書だけど、大人にもおすすめの一冊。2020/11/23
真理そら
54
幼い頃の苦い思い出から完璧イケメンを演じているナリタク(男)と自分の気持ちを抑えがちなムギ(女)の交流が『みどりのゆび』という児童書を絡めて描かれている。キヨや小夜子さんの謎も解け、ナリタクとムギの未来も分かる最終巻かと思うほどの感動大巨編だった。『みどりのゆび』を読まなくちゃ。2023/12/26
ぶんこ
42
ムギは仲間からは軽んじられ、淋しい。また、ビビリで虐められっ子だった子どもの頃を思い出し、イケメンになったナリタクは、イケメンでいることにとらわれている。ムギとナリタクがかねやま本館に呼ばれて出会う。錆色の温泉に入った2人。「鉄は錆びているのが本来の姿。加工された鉄がが、元の自然な状態に戻ろうとすることを錆びると人は言う」目から鱗ですね。仲間から悪口を公園に書かれたムギ、その悪口を美しい花の絵に替えようとするナリタク。優しさから規則を破ってしまい記憶を無くすムギは、必死で湯治場の謎を探る。2023/10/17