内容説明
紅の鞘に納められた細身の刃。ゼンは師から譲り受けたその剣だけを友に山を下り、旅に出る。師であるカシュウは死んだ。ゼンに旅立つよう言い残して。親も知らず、山奥で育てられた理由もわからない。だが山での生活は、ゼンを強く、賢くした。道を極めるためのあてどない修行の旅路。剣を構え、しのぎを削り、出会いと別れを重ねながら、多くに気づき学び取るゼン。動的でありつつも内省的な侍の成長を描く、傑作剣豪小説!
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
工学博士。1996年、『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソラ
24
中公文庫から出ていたものも読んでいたけれどいつの間にか書店で新刊を見かけることもなくなっていたところでイラスト付きで再刊されてうれしい。世界観にとてもあってるイラストでとても良い。2021/02/27
みう
12
主人公が剣術修行をして暮らしてきた森を出て広がる世界を体験し、様々なことに考えを巡らす描写が森博嗣先生らしさ全開で良かった。この青年にどんな未来が待っているのか気になります。2025/04/30
お咲さん
11
亡くなった師の言葉に従い、師の愛刀を手に山を降りるゼン。親も知らず、この先になにをなすべきかもわからず旅を続けるゼン。出会いと別れ、生死を間近に感じた彼は己が取るべき道を見出していくーー森哲学がみっちり書き込まれた一冊。侍の生き様というよりも人の生き様を問う物語。ゼンの成長や気づきはそのまま読み手側の経験となっていくような一冊。これは読むべくして出会ったなとしか言いようがない。人間は生きているかぎり別人になれるという一文は今のワタシには電撃の如く痺れる名文だった。シリーズ追ってゼンを見届けたい。2021/05/03
ノベツ
10
森博嗣が時代物を?と吃驚。読んでみたら、本当に時代物だが、いつもの森博嗣でもあり、予想以上に面白かった。 とはいえ文化、風俗方面の描写は皆無。山本周五郎的なものを期待してはいけない。 長文感想⬇ https://note.com/nobetsu/n/n5872c8bc1d08 2021/05/03
みどり
10
昨日まで脳が足りないエロラノベを読んでいて 今日いきなりこれだと頭が疲れた。 が、何故森博嗣さんが、剣豪を描くのかは不明だけど、文章は森博嗣さんだった。 朴念仁から色男になっていくのだろうか?2021/02/08
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