内容説明
2020年、世界で最も早く新型コロナウイルスの流行に見舞われた中国では、管理社会ならではの規模とスピードでITを活用してウイルスに立ち向かった!誰もが使うスーパーアプリで給付金とデジタル通行手形を発行し、病院では最新鋭の5G・AI・VRをフル活用。警備や緊急搬送にはドローンを駆使して非接触を実現し、市民に信用スコアを発行して災害支援活動を推奨。中国政府と企業・自治体が打ち出したさまざまなIT活用方法には、今こそ日本が学ぶべきヒントが満載だった!最新の現地情報たっぷりでお届けする、中華テクノロジーの最前線!
目次
1章 災害時にITをフル活用できた理由
2章 キャッシュレススーパーアプリが実現したテクノロジー
3章 オンライン教育、リモートワークのテクノロジー
4章 生活食材を届けるテクノロジー
5章 店舗を生かすテクノロジー
6章 緊急時のマスク・医療品を届けるテクノロジー
7章 医療現場・感染防止のテクノロジー
著者等紹介
山谷剛史[ヤマヤタケシ]
1976年東京都出身。東京電機大学卒。システムエンジニアを経て、中国やアジアを専門とするITライターとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
83
中国のIT事情をさっと見るに良い本かと。 日々変わるからニュースも常にチェックしてないと。アリババこの時大活躍したのに。 “充分発揮人工智能賦能効用 協力抗撃新型冠状病毒感染的肺炎疫情イ晶議書” コロナにAIで対処する中国の政策。 出版時(昨年8月)にはうまく行ってるように見えたけど・・2021/01/02
ののまる
9
徹底した個人情報管理と信用制度のおかげで封じ込められてるのも、今の日本からしたら、それくらいやってもらったほうが…と思えてくる。ま、そうなると某総理と某元IT大臣はコロナ対策してませんってことで信用ランクががた落ちですけども。2020/12/21
Hatann
9
中国社会がITを駆使してコロナウィルスに如何に対応したかを素描するとともに中国社会のデジタル先進性を指摘する。社会活動が一定の制約を受けるなか、消費・教育の生活現場や高度かつ安全な医療現場の確保のための様々な創意工夫がITによって齎された。ビフォーコロナにて既にデジタル実装が進んでいたために円滑に対応できた。他方、日本ではコロナ対応以前にDX自体が遅れていることがはっきりした。デジタル社会を監視社会と結び付けて否定的に見ることは短絡的であり、中国のデジタル実装については虚心坦懐に参考にすべき点が多い。2020/09/19
さとうしん
7
中国での新型コロナにまつわるITの活用例を、キャッシュレス決裁、オンライン教育、デリバリー、医療など分野別に挙げ、これを日本で生かすには……とまとめを入れていく構成。中国のIT活用にも段階があったこと、アリババとテンセント、アリババと京東など、企業間の競争が機能していること、日本で妙な持ち上げ方をされているCT検査は、AIや5Gと連動することで効果を発揮していることなどをまとめている。2020/09/07
残留農薬
2
微信や支付宝の小程序(ミニプログラム)を通したコロナ対策のスピード感と身軽さよ……2010年代を通してスマホ所持率や各種サービスの普及率がかなり高まっていたことが背景として存在しているということがわかる(とはいえ、日本では既存の民間サービスに頼ること自体が問題になりそうではあるが)。各節の終わりに国情の違いを踏まえた提言もあり、参考になる。民間が我先にと参入した後に、政府が事後承認を与えていく(或いは抑圧する)という、筆者が説明する中国IT業界のフローがそのままコロナ対策にも活かされているというのが面白い2021/03/06