内容説明
本格ミステリ誕生から180年。歴史がありすぎて古典ミステリって退屈そう、手のつけどころもわからないしと思っているそこのあなた!本棚探偵があふれる本格愛を胸に、あの手この手で名作をお薦めします。第17回本格ミステリ大賞受賞、遊び心満載のブックガイドが目次・索引を加えた進化版で文庫化。
目次
エンピツでなぞる美しいミステリ 江戸川乱歩「蟲」
ほんかくだもの「形式ばってたって…」
勝手に挿絵 小酒井不木「謎の咬傷」
H‐1グランプリ「乱歩が選んだ名作たち」
本棚探偵の日常 本棚探偵の一日
エンピツでなぞる美しいミステリ E・クイーン「シャム双子の謎」
ほんかくだもの「こいつが犯人…」
勝手に挿絵 角田喜久雄「蛇男」
ミステリのある風景「横溝とフルーツ」
H‐1グランプリ「奇跡の32年」〔ほか〕
著者等紹介
喜国雅彦[キクニマサヒコ]
漫画家、雑文家、装画家、プチ音楽家、本棚探偵といくつもの顔を持つ。1997年にみうらじゅん賞、2015年に『本棚探偵最後の挨拶』で第68回日本推理作家協会賞、2017年に『本格力―本棚探偵のミステリ・ブックガイド』で第17回本格ミステリ大賞受賞
国樹由香[クニキユカ]
漫画描き。近年はエッセイも手がけている。ヘヴィメタルDJもこなす。2017年に『本格力―本棚探偵のミステリ・ブックガイド』で第17回本格ミステリ大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
128
ここに1人の本格ミステリ好きがミステリをこよなく愛して色々な試みをして、存分に楽しんでいることを見ると一ミステリ読者としては喜国氏のバカバカしくも楽しい企画を後押ししたくなる。私もやはり若いミステリ読者は歴史を学ぶように古典ミステリは読むべきだと思うし、また出版社も古典ミステリを絶やしてはいけないと思うからだ。ただ本書は確かに古典ミステリの中で面白いものを選ぶ指針にはなろうが、本書の評価が全てではない。これから古典ミステリを読まれる読者は読むときに自分の感想と本書の内容を比較してみてはどうだろうか?2022/02/14
へくとぱすかる
60
何とネタバレなし! 他のガイド本で悔しい思いをしたミステリ・ファンも、本書ならきっと満足できる。それに何よりも笑える、のですよ。「本棚探偵」シリーズのファン(私だ)なら、超大歓迎のはず。何と700ページ超の分厚さなのに、一気に読破。マンガ家のお二人だけに、視覚的にもすごく楽しかったバラエティ・ブック。よくぞ文庫化してくださいました。9年にわたる連載として、探偵一家のワンちゃんたちの歳月も楽しい。ちょっぴり哀しい場面もあるけど。肝心のミステリ批評は、タイトル通りの本格勝負。未読の本も多いので、参考にします。2020/08/20
かわうそ
30
私が古典本格ミステリをよく読んでいたのは20年以上前。あれは面白いとか退屈だとかいう印象だけはある程度残っているものの内容についての記憶はほぼゼロ。そのくせ「クリスチアナ・ブランドにはずれはなかった!」とか「カーの歴史ものは面白いだろ!」などとグダグダ言いながら楽しく読みました。自分がいま古典ミステリを読むとしたら、推理部分は割とどうでもよくて、雰囲気重視・古典あるあるにニヤつきながら、みたいになると思うので、そういう視点で何冊かピックアップしてみたい。あと「修道士カドフェル」を読んでみたいと思いました。2020/08/30
geshi
30
ミステリマニアであり本棚探偵を自称するマンガ家による古典ミステリのガイド本。古典ミステリへの深い愛を持ちながらも、評価は忖度なくバッサリといけるのは、外野の部分があるからだろうか。「犯人が意外ならいい!」とか「あの幻の本が復刊されただけで高得点!」といったマニア目線に疑問を投げかけ、フラットに古典の名作に対峙して、面白さを伝えている。国樹さんのエッセイは、そんな本棚探偵自身の謎に迫り、イメージとはかけ離れた真の姿と夫婦の仲の良さを見せる。飼い犬への底なしの愛情表現も微笑ましい。2020/08/14
ハスゴン
27
ハードカバーでも買いましたが、携帯用に文庫も買いましたがやはり面白い!2020/08/20