内容説明
札幌の街にあるオフィスでインテリアデザインを手掛ける草葉祈一郎。十年前に婚約者が失踪し、猫と暮らす彼の元には、口は悪いが正義感が強い友人、潤がたびたび訪れる。事務所に来る依頼人の願いは、一見、改築と関係のないものばかり。しかしみんな、それぞれの「喪失」に苦しんでいた―。
著者等紹介
和久井清水[ワクイキヨミ]
1961年、北海道生まれ。’81年北海道武蔵女子短期大学卒業後、地方公務員に。結婚を機に退職。第61回江戸川乱歩賞候補。2015年宮畑ミステリー大賞特別賞受賞。内田康夫氏の遺志を継いだ「『孤道』完結プロジエクト」の最優秀賞を受賞し、『孤道 完結編 金色の眠り』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
57
札幌の建築事務所の草葉祈一郎のリフォームは不眠症などの症状が改善するという評判がある。4件の仕事がそれぞれ短編としてまとめられている。読み終わって「客観的には登場人物は何人いただろうか」という気分になる作品。やや幻想的な儚く美しい物語だった。2023/11/30
Yuri
14
凝った設定と展開。建築事務所に持ち込まれる各章ごとのリフォーム案件。全体的な登場人物に纏わる話をもっとメインで読みたかったかも。2022/02/24
きょん
13
大事な人を亡くした事で不調を抱える人々をリフォームを通じて癒す連作短編。教え子を亡くした教師の不眠。子供を亡くした母と祖母。親友を亡くした初老の男。愛犬を亡くした姉妹。そして婚約者と親友を亡くした建築家。2020/09/30
Mayrin
9
一話ごとに解決していきますが、肝心の登場人物のことがよくわからず終わりました。続編があるのかな?2020/10/24
紅羽
8
北海道は札幌を舞台に、建築事務所へ持ち込まれるリフォーム案件を解消していくお話。何となくキャラの掘り下げが薄くて、建築事務所がこんな仕事をしてきましたよという実績案内のような印象でした。ただ、私の地元なのでご当地あるある的なものは楽しめました。ラーメンサラダ、久しぶりに食べたくなりました。2023/07/27