内容説明
東京オリンピックまでは店に立ちたいと言っていた大将ががんで亡くなる。闘病と死、悲しみを湛えながら気丈に振舞い二代目と共に店を続ける気概に胸をうたれる。寿司店ならではのお客様とのウルッとくる人情噺。極上の鮨ネタやまかないレシピ。哀しくてやがて優しい時間が流れるほっこりほのぼの寿司エッセイ。
目次
1 サヨナラ大将
2 寿司屋になるために生まれてきた!
3 お嬢さん、寿司は好きですか?
4 二代目の店
5 おかみさん、けっぱってけろ~
6 おまえは、ほんとに寿司が好きだなあ
著者等紹介
佐川芳枝[サガワヨシエ]
1950年東京生まれ。昭和学院高等学校卒業。都市銀行、社団法人信託協会勤務ののち、’75年名登利寿司主人と結婚。’78年調理師免許取得。寿司とうまいものに関する著書多数。『寿司屋の小太郎』(ポプラ社)で、第13回椋鳩十児童文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しょーくん@本棚再編中
26
★★★★★★★☆☆☆大将亡くなったんですね。ご存命のうちにお店に行ってみたかったなぁ。それでも二代目が継いでくれているのはありがたいですね。是非ともお金を貯めて行きたいです。2020/12/10
tetsubun1000mg
12
タイトルを見て、名登利寿司の大将が亡くなったのかと思わず選ぶ。 おかみさんのエッセイは寿司屋さんの仕事ぶりや、お客さんとの会話などが面白くよく読んでいた。 大将との会話やエピソードがよく出ていたので、お店に行ったこともないのに大将の事を知っていた気がしていました。 修行していた息子さんが店を継いで二代目となったことを知り安心しました。 大将は亡くなる前にお客さんに決して知らせないで、予約のお客さんに対応するよう望んでいて二代目と共にで応対したのに職人魂を感じました。 表紙の大将のイラストが大変良いなあ。2021/01/07
西澤 隆
9
新刊だ…と思ったら「サヨナラ大将」。ウチも検診数ヶ月後に「風邪の咳が長引くね」で受診したら肺がんで余命宣告。あっという間に逝ってしまったので、なんともしみじみしながら読了。寿司屋は近所にいくものという思いもあり、名登利寿司はいまだ行ったことがないのだけれど長年おかみさんのエッセイを楽しんだおかげで大将もおかみさんも二代目も、なんとなく身近な人の気がする。まるでクッキングパパの登場人物を眺めるかのように。いい居心地のお店があってそこでほっこりするお客さんとのやりとりがある。そう思うだけで、なんだかいいなあ。2020/10/01
アルパカ
7
寿司屋のかみさんシリーズは二冊自分の本棚にありますが、しばらくその後読んでいなかった。図書館で偶然こちらを見つけて大将が亡くなったのを知り、ショックを受けました。ご冥福をお祈りいたします。具合が悪くなり始めるところから描かれて涙が出ました。市場が築地から豊洲になったことの変化、二代目が店を継いでいること、料理によっては先代と方法が違うこと、おかみさんが結婚した当初義両親と同居だったので大変だったことなどいろいろ知ることができます。おかみさんまだまだ現役で頑張ってほしいです。2022/03/12
ごま
5
大好きな「寿司屋のかみさん」シリーズ。いつか行ってみたいと夢見て、大将が御存命のうちに行くことがかなわず残念。でも、この本を読むと、他店で修行を積んだ2代目ならではの細やかな工夫や新しいアイデアが生かされた今のお店も魅力的で、行ってみたい。しかし、若い頃の義父母との同居で苦労されたエピソードには、大変な時代あっての今なんだなぁと改めて敬意を覚えた。2020/10/26