出版社内容情報
北川 尚人[キタガワ ナオト]
著・文・その他
内容説明
若者シェア奪還のファンカーゴ、bB、米国乗用車販売台数No.1のカムリ、未来のコンセプトカーpodなど多くのヒット車を生み出した名チーフエンジニアが明かす売れる製品を出し続けられる秘密。
目次
第1章 若者市場を攻略せよ―bB開発(危機意識;ファンカーゴのヒット ほか)
第2章 トヨタの新車開発の流れと開発(広義)の組織体制(新車開発の流れ;開発の組織体制)
第3章 CEの資質(私のCE17ヵ条;「車の企画開発は情熱だ、CEは寝ても覚めても独創商品の実現を思い続けよ」 ほか)
第4章 CE制度を支えるトヨタの仕組み(原価企画;問題解決 ほか)
第5章 CEの本棚(トヨタ時代(~2005年)
ダイハツ時代(2006年~) ほか)
著者等紹介
北川尚人[キタガワナオト]
1953年愛知県に生まれる。名古屋大学工学部応用物理学科を卒業後、76年トヨタ自動車工業株式会社(現・トヨタ自動車株式会社)入社。ボデー設計部、技術企画部、技術管理部を経て96年主査、2000年チーフエンジニア。その後レクサス企画部部長を経て、06年ダイハツ工業株式会社へ転籍、執行役員、取締役上級執行役員、取締役専務執行役員を歴任。15年に退任後はコンサルタントとして、商品企画、開発マネジメントを多方面にアドバイス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニッポニア
55
やや自慢の披露とも感じたけれど、世界のトヨタを作り上げた一つ。以下メモ。日本企業が新製品、サービスを生み出せず、地盤沈下が進んだ。トヨタブランドを刷新する作り方だったファンカーゴにより、トヨタは若者に受け入れられた。bBのカスタム性。役に立たずとも潤滑油になれば、というソニーの発想を取り入れたトヨタ。1つぐらいはトヨタ一の専門家になるよう努力する。利用者目線を織り込む商品開発、車椅子の乗り降りをとことん検証して作り上げる姿勢。何事も五回は繰り返し、自分に対して信念を持つこと。2024/01/21
trazom
54
トヨタ生産方式(TPS)が称揚されるが、チーフエンジニア(CE)によって製品開発が主導されるCE制度こそが、トヨタさんの強さの秘密であるという。CEとしての豊富な経験を持つ著者が具体的な活動の内容を紹介する。商品企画から、営業、経理、調達、製造、品証等の各部門を統括するCEが、職制上の上位にあるのではなく、製品企画部の一員という仕組みが独特である。CEを支える企業風土の第一順位が「原価企画」というのもトヨタさんらしいと思う。バラバラ活動、なぜなぜ分析など、トヨタウェイの凄さを思い知らされる一冊であった。2020/08/14
AU.Step
12
非常に興味深い内容。トヨタの強さの一端を垣間見た気がする。それと共に、以前のトヨタ車に感じていた面白味の無さも逆にその体制に起因するように思えてならない。2021/06/09
Haruki
6
車種ごとの開発責任者を置くCE制度について、製品企画からデザイン、設計、試作・評価、量産準備、量産、販売までを俯瞰してヒット商品を作るための目の配るポイントを著者の数車種の経験談踏まえて解説。顧客のニーズを現場で拾い、原価や開発日程の圧縮を目指し関係部門へ串を通すような仕事。コンセプトイメージの明確さ、設計・製造要素への目利き、上位から下位までスムーズにつながるような明確な説明力など多様な要素を万遍なく持ち合わせることが求められるようだ。平易な説明で雰囲気は分かるが体系立ててないので頭に残りにくい。2024/11/16
たこ焼き
6
NGが出るかもしれない評価項目をあらかじめ洗い出しておく。量産が始まってからでは、原価低減をすることは難しくなる。質問に答えられない、という状況を避けるために入念に準備をすること。基本パワポに書いてあることを喋り、書いていないことは書いていない、ということをお伝えして相手が迷子にならないようにする。判断に迷って宿題を出すようでは、上長失格。部下の背中を押すようにその場で即断即決を心がける。なぜそうなっているのか本質を説明できるよう理解し、また本質を説明できるようにすること。2021/12/25