内容説明
五輪で二度の金メダル。日本代表の監督を務め54歳で急逝した天才柔道家。
目次
第1章 剛毅朴訥(次の五輪も一緒に見守ろう(山下泰裕)
おまえがいなければダメなんだ(川野一成)
精力善用、自他共栄(上村春樹)
あなたの言葉の意味が、最近わかるようになってきました(鈴木桂治)
新しい柔道をつくっていく(井上康生))
第2章 サーカスの熊(あいつに恥ずかしくない生き方をしよう(〓田敏)
あきらめてはいけない(斉藤悟))
第3章 三つめの金メダル(ぜんぶ覚えてるよ(斉藤一郎)
もう俺はガキやない!(斉藤立)
あなたの道の続きを歩んでいく(斉藤三恵子))
著者等紹介
山下泰裕[ヤマシタヤスヒロ]
1957年、熊本県生まれ。東海大学大学院体育学研究科修了。1977年から全日本選手権で九連覇を達成。1979年から三大会連続で世界選手権優勝。1984年のロサンゼルス五輪で無差別級の金メダルを獲得した。1985年に現役選手を引退。1992~2000年には全日本柔道連盟ヘッドコーチを務め、柔道日本代表チームを率いた。現在、全日本柔道連盟会長、日本オリンピック委員会(JOC)会長などを兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鉄之助
222
柔道・五輪2連覇の斉藤仁が54才でなくなって5年。家族や関係者10人が、十人十色の思いのたけを綴った。長男・一郎の手記「鬼だ!」が鮮烈。家族旅行先でも練習、1センチでも足の位置がずれると鉄拳が飛ぶ…などなど厳しく育てた結果、実際に家出をしたことも。後に、1センチどころか1ミリにこだわっていた、と山下泰裕に聞き一郎は父の偉大さを思い知る。斉藤を「斉藤仁」たらしめた、細かなエピソードがそれぞれの口から丹念に語られていた。体型才能もそっくりで有望選手に育っている次男・立(たつる)の2024年五輪出場が待ち遠しい2020/08/04
金吾
11
○良かったです。斎藤仁さんの人柄、信念がよく伝わる本です。また日本柔道を支え、後輩に引き継げたのだなとも思いました。2020/09/19
chuji
3
久喜市立中央図書館の本。2020年6月初版。書き下ろし。関係者や家族が斉藤仁の思い出を綴った本。斉藤さんが亡くなって五年、生年では斉藤仁は二年下、山下泰裕は一年上でオイラの同世代です。2020/09/03
Go Extreme
2
勝負:気持ちの持ち方ひとつで変わる 稽古場での仁ちゃんの気迫や努力のすさまじさ 日本一になりたかったら日本一の努力 非常に器用で粘り強い面 稽古というより修行 ほんとうに鬼以外の何ものもなし 強くなるためには稽古・勝つためには研究 柔道に対する熱意のすさまじさ すべてにおいて追求の仕方が尋常でなし 高田、逃げんなよ 病気になったときでさえ下は向かず 稽古はウソをつかない 大切なものは心のなかにあるんだ。ほかのことは、どうでもいいんだよ 勉強だけでは味わえない感動、ほんとうに心を揺さぶられる瞬間を何度も経験2020/08/12
Tsuneyuki Hiroi
1
小学3年生から高校3年生まで、柔道をしていた私にとって、山下泰裕、斉藤仁の両氏は神の領域にいた存在だった。特に山下氏は全日本選手権9連覇を達成し、最後の数年間は斉藤氏との死闘を決勝戦で演じた。 山下氏引退後の斉藤氏の奮闘ぶりは覚えている。1988年の全日本選手権の優勝、ソウル五輪の優勝の試合はよく覚えている。闘志剥き出しの戦いぶりは、相手を寄せ付けなかった。 この本は、斉藤氏に親しい人々によって斉藤氏を書かせたものだが、最期の奮闘を描いている。特に斉藤氏の連れ合い、三恵子さんの文章は涙無くしては読めない。2020/07/23