内容説明
トウガラシはいつ、日本に伝わったのか?トウガラシは、なぜ、辛いのか?辛いししとうと、辛くないししとうの違いとは?トウガラシでダイエットはできるのか?メキシコ人は唐辛子で出汁をとり、四川料理は唐辛子の香りを活かす。ペペロンチーノ、トムヤム・クン、キムチ、七味唐辛子…。科学と食文化の両面から、世界のトウガラシを挟み撃つ。
目次
第1部 知っておきたいトウガラシの基礎知識(日本とうがらし事始め;食用トウガラシ、その起源と種類;なぜ、トウガラシは辛くなったのか;トウガラシの辛味あれこれ;機能性食品トウガラシ)
第2部 世界一周トウガラシ紀行(トウガラシの故郷―中南米;原産地呼称制度と郷土料理―ヨーロッパ;キネンセ種が大活躍―アフリカ;ストレートで味わうか、ミックスして味わうか―南アジア;辛いアジアと辛くないアジア―東南アジア;二つの唐辛子文化大国―東アジア;実は豊かな日本の唐辛子文化)
著者等紹介
松島憲一[マツシマケンイチ]
1967年生まれ。信州大学大学院農学研究科修了。博士(農学)。農林水産省経済局国際部技術協力課総括係長、同省九州農業試験場総合研究第一チーム研究員、同省農村振興局専門官などを経て、信州大学農学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
64
とうがらしの本は、どれを読んでも面白い。その起源や歴史や食べ方などについて、それぞれの著者が独自の視点から語ってくれるからだ。本書のメーンは世界で栽培されているとうがらしの種類と、土壌や水質の違いで生まれた様々な味や風味を生かした各国独自の料理法の数々。これだけ広がっては各国の人びとも南米原産とは思わず、自分たちの日常生活に根付いた土着の香辛料か伝統野菜と信じて疑わないだろう。日本のみならずすべての国で、とうがらしは自国の重要な文化となっているのだ。これほど愛され成功した外来種の植物はないと改めて感じた。2021/05/10
Toshi
23
知っているようで知らないとうがらしの世界。世界に広がったのは、コロンブスによる新大陸発見以降のはずなのに、各地でしっかりと根を下ろし、もはやとうがらしの入らない、カレーや、キムチや、四川料理は考えられない。とうがらしが辛くなったのは、辛味を感じない鳥に遠くまで種を運んでもらうためとか、「アラビアータ」は「アラビア風」と言う意味ではないとか、チコちゃんに教えてあげたいウンチクがいっぱいだ。とうがらしの起源から辛味の科学的分析、そして世界のとうがらし事情を巡る、とうがらし愛に溢れた一冊。2021/07/21
さとちゃん
8
トウガラシを愛する娘に触発されて読み始めた本書。奇しくも読み始めたときは信濃川流域の長岡市にいました。南米起源のトウガラシがどのように世界中で愛されているのか、読みながら各地の気候と食事風景が頭の中で再現されていくのが楽しかった。2023/04/30
竜王五代の人
6
ほとんど、世界トウガラシ食紀行みたいな本。辛くないトウガラシがシシトウ、辛みを作る機能を失ったのがピーマンとパプリカ(これらトウガラシの半身を紹介していないのはちと残念)だそうだけど、トウガラシ料理はそういう旨味をトウガラシが持っているから成り立つとわかる。五色の花のトウガラシがあるけど世界に広がったのはうち三種とか、辛いのは実の中の仕切り部分だけとかの豆知識も良。2023/02/21
Hiroki Nishizumi
6
いやぁ実に深い。とうがらしだけでこれほど深いとは植物恐るべし。カプサイシン万歳だな。2020/09/28
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