出版社内容情報
本当の「魔女」誰――?
名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で、少女が死んだ。「魔女」という謎の言葉を残して――。
美しくも残酷な連続殺人劇の、それが幕開けとなる。転入生・冴子の心にひそむ「赤い記憶」の秘密。
夜ごとに少女たちを襲う殺人者の正体は?
鮮血と狂気に彩られた「囁き」シリーズ第一弾、待望の新装改訂版。
内容説明
名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で、少女が死んだ。「魔女」という謎の言葉を残して―。美しくも残酷な連続殺人劇の、それが幕開けとなる。転入生・冴子の心にひそむ“赤い記憶”の秘密。夜ごとに少女たちを襲う殺人者の正体は?鮮血と狂気に彩られた「囁き」シリーズ第一弾、待望の新装改訂版。
著者等紹介
綾辻行人[アヤツジユキト]
1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院修了。’87年に『十角館の殺人』で作家デビュー、“新本格ムーヴメント”の嚆矢となる。’92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。’18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キナコ
75
女子高内で起こる連続殺人。ヒロインが転校してから起こる謎。女子同士の陰湿なやりとりや、集団ヒステリーの怖さが分かる。各登場人物の過去もかかれているが、皆人に言わないだけで様々な事情があるんだよなぁ。管理された思春期の子供たちの暴走、ヒロインの心のなかでの葛藤。囁きというかたちで語られるヒロインの心情が、最後まで印象的。初期作品ではあるがとても楽しめた。2023/08/15
ままこ
66
綾辻さんの初期の作品。囁きシリーズ1作目。舞台は昭和末期の全寮制の女子高。多感な少女たちの心の奥に秘そめた欲求。歪んだ想いが狂気を生み、全てが深紅で彩られる惨劇が繰り返される。キーワードは転校生の冴子の“赤い記憶”「開かずの間」で死亡した少女が残した「魔女」という言葉の意味とは…。犯人は意外な人物だった。新装改訂版あとがきと共に楽しめるサスペンスミステリー。2024/04/30
K
61
長らく積ん読していた綾辻行人の「囁き」シリーズの第一作。名門女子高校で起きた不審死を皮切りに、次々と惨殺が繰り返される。冴子はクラスメイトから魔女と誹られ、自らの内に秘められた“何か”の囁きに戸惑うばかり。全体を通してどこか夢心地のような、薄くぼんやりとした意識の中で鮮烈な赤(緋)に引き込まれるような幻妖的な雰囲気が漂う。「館」シリーズとはまた違うホラー要素が『Another』を彷彿とさせる。最後に冴子が浮かべた微笑みは果たして_2025/01/18
坂城 弥生
53
閉鎖的な世界、鬱屈した感情…全体的に暗い作品でした。2021/06/15
ひろ
32
人里離れた土地に建つ、規律の厳しい女学校で巻き起こる惨劇。次々と事件が起こる締まった展開に、長さを感じることなく一気に読み終えた。フーダニットに重点が置かれ、ホラー的な描写も織り混ぜられるのは、Anotherと繋がるものがある。一筋縄ではいかないだろうと身構えていても、巧みに読者の予想を超えた解決が仕込まれている。またタイトルの通り、執拗に繰り返し描かれる緋色。映像として魅せる。血と狂気に満ちた作品だった。2022/07/08