出版社内容情報
音吉の付き人「箱屋」となって芸者の世界に潜入することになった沙耶。他方、月也はなんと女装して芳町の陰間茶屋で働くという大胆な作戦。夫婦同時潜入の捜査なのだ。沙耶は得意の若衆姿で、山本町の座敷へ向かう音吉に付き従った。そこにいたのは以前から音吉に言い寄っていた金持ちの札差・吉兵衛だった。そして、音吉にではなく沙耶に相談を持ち掛けてきた。大奥に勤める姪が、抜け出して遊んでいるというのだ。しかも行先は陰間茶屋だと。もしかすると、月也と遭遇を? 夫婦同時潜入はここでつながるのか!
内容説明
音吉の付き人「箱屋」となって芸者の世界に潜入することになった沙耶。他方、月也は女装して陰間茶屋で働くという作戦に。音吉に従って座敷に出た沙耶は、金持ちの札差・吉兵衛に相談を持ち掛けられる。大奥に勤める姪が、抜け出して遊んでいるというのだ。夫婦同時潜入の成否は!好評書下ろし時代小説。
著者等紹介
神楽坂淳[カグラザカアツシ]
1966年広島県生まれ。作家であり漫画原作者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
104
うちの旦那が甘ちゃんで8作目 2020.06発行。字の大きさは…小。風烈廻り方同心・紅藤月也と妻で月也の小者の沙耶は、奉行の筒井から日本橋芳町の陰間茶屋を仕切る原田屋甚右衛門を改心させるように命じられる。月也は、女装で陰間茶屋・花川戸で働く若衆に、沙耶は、男装で深川の芸者・音吉の箱屋になる。大奥から「逃がし屋」が上臈を陰間茶屋へ連れ出す…。 いままでと違って、月也と沙耶が別居して生活するため、2人の想いが今まで以上に出て来て良かったです。この物語に「逃がし屋」が出て来るとは、今村さんもビックリ…。2020/08/24
nemuro
62
シリーズ第8巻。「箱屋と若衆」(7頁~193頁)と「卓袱と盗賊」(194頁~222頁)の2話を収録。うち第2話は僅かに29頁。読み始めたと思ったら「沙耶はまだ、それを知らないのだった」と、余韻を残しつつ唐突に終了。4巻の時などのように目次の第2話に(前振り)としておき(つづく)で終えることもなかった。2巻に跨った時には1冊に収まらないものかと嘆きごく短く収められると物足りない。読者とはかくも我儘。文庫書下ろし作品の本シリーズ。決められた頁数に収めるのも定めし難しかろうなどと作者を気遣ってみる。今回も堪能。2021/10/22
kei302
55
潜入捜査。月也が女装して陰間茶屋で働く! 大丈夫なのでしょうか。大奥が絡んだ問題も、月也は何もなかったことにしてしまう。有能なのかぼんくらなのか。面白かった。2020/07/11
Nyah
51
奉行所から月也は女装して芳町の陰間茶屋で働けと隠密捜査を指示される。大奥から抜け出して遊んでいる女がいるというのだ。沙耶は音吉の付き人「箱屋」。仲良し夫婦がしばらく別居。‥しかし、月也が大人気となり、狭い人間関係でいろいろつながってくる。ギョッとする依頼もあったが、八方うまく収まりよかった。2022/08/22
ぶんこ
51
大奥の中臈がらみで月也が陰間茶屋に潜入し、親身に話を聞いてくれると大人気となる。その間沙耶は音吉の箱屋として音吉家に同居。月也さんの出世よりも夫婦仲良く美味しい物を食べるのが幸せというのにはほっこりですね。今回は食の場面に興味津々で、物語にははいりこめず。大根の糠漬けをおろす?びっくりです。今我が家にあるのでやってみよう。他にも主に薬味系に試したくなるのが紹介されていました。物語としては、大奥に入ると出るのは難しいと言われているのに、美沙さんが出られた経緯が書かれていないのがつまらない。9巻に続きます。2021/03/22
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