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内容説明
創業者・龍平翁の孫として生まれ、116万もの朝日新聞株を保有した3代目社主・村山美知子。その晩年、秘書役となった元事件記者が目の当たりにした、創業家と経営陣の「暗闘」とは。
目次
深窓の令嬢
「新聞王」の初孫
凱旋行進曲
夢の舞台を
果断の人・村山龍平
村山騒動
哀しみを越えて
創業家の矜持
社主の役割
養子探し
闘病の日々
奇跡の人
著者等紹介
樋田毅[ヒダツヨシ]
ジャーナリスト。1952年、愛知県出身。県立旭丘高校卒、早稲田大学第一文学部社会学科卒。’78年、朝日新聞社に入社。高知支局、阪神支局を経て大阪社会部へ。大阪府警担当、朝日新聞襲撃事件取材班キャップを務めたのち、京都支局次長、地域報道部・社会部次長、和歌山総局長。朝日カルチャーセンター大阪本部長等を経て、’12年から’17年まで大阪秘書役を務め、同年12月退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
52
今年3月、99歳で亡くなった朝日新聞社主の評伝。村山家と朝日新聞をめぐる骨肉の争いの歴史が赤裸々に語られる。真実は語る人の数だけあるだろうし、社主の評価も毀誉褒貶相半ばするには違いないが、著者の姿勢はフェアーで、社主への眼差しも温かい。私には、新聞を巡る確執以上に、村山美知子さんの大阪国際フェスティバルへの情熱の物語が心に残る。関西の音楽ファンは、彼女への感謝を絶対に忘れない。純粋で一途な美知子さんには、芸術の世界が似合う。そんな人を、経済界の駆け引きで弄ぼうとした朝日新聞の経営者たちの醜さが、悲しい。2020/05/16
金吾
27
○社主側と会社側の対立は想像していたものより露骨でした。今までは社主側に問題の大半があると思い込んでいましたが、違う視点も得られ良かったです。著者がやや感情的なので一概に言えないかもしれませんが、砂糖に群がる蟻のような人たちが次々とあらわれフィクションよりすごいと思いました。2025/03/04
チェアー
12
朝日新聞の社主という制度がずっとよく分からなかったが、朝日の歴史を読むことでよく分かった。 これほどの深窓の令嬢(もう死語だ)がいたということに驚きを感じる。ある意味、社主がいたことで、朝日は特別な新聞になれたのかもしれない。社主を排除していく過程は、朝日が普通の新聞になっていくプロセスだったのだ。 個人的に衝撃を受けた部分もあった。うん。2020/09/16
Melody_Nelson
6
非常に面白かった。赤報隊事件は右翼の仕業とばかり思っていたら、例の宗教団体(と、その政治団体など)も関与してるかも?という内容で、興味深く読んだ。右翼団体の多さと複雑さにも驚いたが、著者の執念(記者魂?)にも恐れ入った。例の宗教団体も当時、朝日ジャーナルで特集されたことから恨みつらみで怪しい気配。ただ、朝日新聞内部(上層部)のゴタゴタだったり、権力や利権への迎合は残念。2022/08/18
tenorsox
6
朝日新聞創業者の孫で、最後の社主(経営からは離れているが一定の株式と発言権を有する創業者一族の代表?)となった女性の一生。 株式の買取を画策する経営陣との攻防は勿論だが、戦前のセレブの暮らしぶり(幼少期〜学生時代)、音楽祭プロデューサーとしての力量(戦後の復興期)、時折り見せる茶目っ気(著者が直接対峙した晩年)等の柔らかい話も楽しい。 著者は数年間使用人として仕えた元朝日記者。お目付役として派遣されたにも関わらず社主に親身に対応し会社とも対立したようで、全体の書き振りも多少社主側に寄っているかも。2020/11/26
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