北斎になりすました女―葛飾応為伝

電子版価格
¥1,320
  • 電子版あり

北斎になりすました女―葛飾応為伝

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 198p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065189023
  • NDC分類 721.8
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「おうい」「おーうい」
仕事の合間、繰り返される呼び声。北斎の口ぐせ。
天才絵師の壮大な画業を支えた共作者、三女お栄の画号はここからきた。
光と影の女絵師・葛飾応為。
「美人画を描かせたら俺より上手い」と言わしめた、もう一人の天才。
署名を持たない絵を世界の美術館に探し、歴史の闇に隠れた女性の鮮やかな生涯を描き出す。
「おうい、どこいった」

〈目次〉
序 章 闇に消えた女
第1章 北斎の幽霊
第2章 応為誕生
第3章 光と影を描く
第4章 シーボルトのコレクション
第5章 長崎から来た男
第6章 北斎になりすました女
第7章 秘密の仕事
第8章 応為、夜を描く
終 章 応為はどこに消えたのか

内容説明

表の顔が北斎なら裏の顔は応為。父娘は二人で一つの顔を持っていた。天才の陰に隠れた、もう一人の天才。本所、小布施、長崎、オランダ…消えた女絵師の“幻の絵”を追う、美術ノンフィクション。

目次

序章 闇に消えた女
第1章 北斎の幽霊
第2章 応為誕生
第3章 光と影を描く
第4章 シーボルトのコレクション
第5章 長崎から来た男
第6章 北斎になりすました女
第7章 秘密の仕事
第8章 応為、夜を描く
終章 応為はどこに消えたのか?

著者等紹介

檀乃歩也[ダンノブヤ]
1972年東京生まれ。1999年にドキュメンタリージャパンに参加。企画・構成作家として数多くのテレビ番組を制作。2017年NHK『もうひとつのショパンコンクール』でアメリカ国際フィルム・ビデオ祭ゴールド・カメラ賞(アート部門第1位)、2018年NHK『4人のモナリザ』でATP賞テレビグランプリ・優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

83
小布施で見た北斎の極彩色の晩年の天井画は、応為との共同作業であればすんなり理解できる。北斎の絶筆「富士越龍」も彼一人の筆ではなかったとする方が自然に思える。応為の絵の特徴は、「指先の描き方」と「ほつれ髪」であるという。メナード美術館蔵「夜桜美人図」・太田記念美術館「吉原格子先之図」は応為の「光と影」を描く名作だが、北斎作とされる「雪中虎図」や「蚊帳美人図」にも応為の特徴が見られる。北斎に「俺の美人画は、お栄には到底かなわない」と言わしめた程の腕前。応為は「北斎として生きることで、絵を世の中に残せばいい」⇒2020/04/21

マリリン

46
同志であり、親子であり、師弟関係であったかのような父北斎と娘の応為の絵から伝わってくるのは父娘が慈しみ合う姿。絵にかける情熱は「江戸の天文学者」に登場する人たちの熱い魂を思わせる。現在のように恵まれた状態からは生まれないかのような情熱は魅力的。絵も生きざまが反映されるなら外面とは裏腹な応為の女性としての側面を感じる。光と闇...父と娘がその加減を調節しつつ描いた作品は、意図せずして出来上がった作品に思える。印象的な作品は「女絵の下絵」。本書を手にしたきっかけは「眩(くらら)」表紙絵の光と闇に惹きこまれる。2021/05/30

つちのこ

42
朝井まかて『眩』を読んでから、ずっと気になっていた葛飾応為。本書を含め多くのメディアに取り上げられたこともあり、今では押しも押されぬ人気絵師である。天国の彼女は知る由もないだろう。北斎の背中を見て精進し、光と影を操る自身のスタイルを完成させたにも関わらず、北斎の死後も生活のために北斎の落款を入れて描き続けた半生は苦悩に満ちたものだったのか。応為が生きた時代が、女性の絵師が評価されない背景と重なっていなければ、その生涯は違ったものになっていたかもしれない。以前、小布施の北斎館で⇒2021/12/07

どぶねずみ

25
北斎と言えば、デッサン、遠近法、透視図法が得意なのに対し、応為はそれまでの日本画になかった陰影表現が美しく表現も繊細だ。北斎の晩年はサポート役の応為がいたからこその功績。69歳で大病を患った北斎は落款すらも手が震えて力強く書けなかったはずなのに、その画は力もしなやかさも備わって美しい。これこそが応為の画のはずだが、ブランド力を重視した北斎は応為の名を世に知らしめることをしなかった。生涯を北斎のアシスタントに徹した応為、自分の名を轟かせる気はなかったのだろうか? 私は北斎よりもずっと応為の方が好きだけど。2023/12/01

まーしゃ

25
Miss HOKUSAIと海外から称される葛飾北斎の娘である葛飾応為ことお栄の実在に迫る作品。ある程度の話は解ってはいたけども丁寧にまとめられており面白かった。太田記念美術館での吉原格子先之図の展示が楽しみだ。2022/10/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/15328612
  • ご注意事項

最近チェックした商品