出版社内容情報
西鹿児島駅行の寝台特急「明星51号」の車中で殺された男のポケットには、不思議なラブレターがあった。
同じ内容の手紙を謎の女から受け取った帰省中の田中刑事も刺殺された。台風の接近、降り注ぐ桜島の火山灰、殺人の刑期を終えて復讐をちかう男を迎えて、緊迫する西鹿児島駅。
部下の無念を晴らすため十津川警部の奮闘を描く、旅情と息づまるサスペンスの傑作長編推理
内容説明
西鹿児島行きの寝台特急「明星51号」の車内で刺殺された男性は「あなたを愛しています」と書かれた手紙を持っていた。同じ内容の手紙を謎の女から渡された警視庁の田中刑事も殺されてしまう。桜島の降灰に加え、服役を終えて復讐を企む男が西鹿児島駅を混乱に陥れる。部下を亡くした十津川警部が犯人を追う!「駅」シリーズ。長編推理小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miya_feel
15
鹿児島における桜島の降灰、接近する台風、その対応に追われる西鹿児島駅の職員達。その緊迫する中、何をおいても鉄道の運航を優先する描写が胸を打つ。ストーリーは何となくその後ろを流れていくが、降り注ぐ桜島の火山灰の怖さが伝わってくる事に押され気味で、中々不可解な展開。というか話の流れが実にスロー。十津川の部下が刺殺される展開から始まるが、その巻き込まれ方、そしてその理由が腑に落ちない。加えて殺人の形期を終えて復讐を狙う男・小西とは一体何だったのか。でもこんな西村京太郎作品でも許せてしまう「駅シリーズ」の謎。2021/06/20
サルビア
8
以前、喧嘩を止められた恨みから警察官と駅の助役を狙っていた男が刑期を終えて出所してきた。その男小西が恨みを晴らし、復讐を遂げるのか、という緊迫した中で西鹿児島駅では桜島の噴火によって灰が町を覆い、列車の運行に支障をきたしていた。降灰が止まったと思ったら近づいてきた台風による雨で鉄道員たちは不眠不休の作業を続けていた。そんな最中に列車内で人が刺された。奇妙なことにたった一行のラブレターを持っていたのだった。郷里に帰る途中の田中刑事も同じラブレターを貰っていて西鹿児島の駅で刺された。小西の犯行なのかと思いきや2024/06/22
もかすけ
3
殺人事件より、桜島の降灰で息が詰まった(>.<) ちょうど、前回のブラタモリで桜島が1955年以降活動期に入っていると聞いたが、鹿児島の人はホント大変です。2022/08/26
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
3
2020年 2月14日 初版2020/02/18
コマンドー者
1
駅シリーズ4作目。西鹿児島駅を舞台に桜島噴火の灰害と台風と出所者の復讐事件と謎の十津川の部下刑事が絡む連続刺殺事件と盛りだくさんで事件が進行する。詰め込み過ぎてちょっと個々の事件の描き込みが浅くなってしまったきらいがある。特に部下刑事のメインの事件の真相は研究員の女の行動が傍迷惑過ぎて何だそりゃというオチ。2022/04/18
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- 洋書
- Villain