出版社内容情報
父の余命は3ヵ月。
何者にもなれなかった僕は――
あなたの息子には、なれたのでしょうか。
小劇団を主宰する僕〈竹田武志〉のもとに、父から連絡があった。余命3ヵ月だという――。
自意識が炸裂する僕と、うまくいかない「劇団」、かわっていく「恋人」、死に行く大嫌いな「父親」。周囲をとりまく環境が目まぐるしく変わる中、僕は故郷の福岡と東京を行き来しながら、自分と「家族」を見つめなおしていく。不完全な家族が織りなす、歪だけど温かい家族のカタチ。
内容説明
小劇団を主宰する僕“竹田武志”のもとに、父から連絡があった。余命三ヵ月だという―。自意識が炸裂する僕と、うまくいかない「劇団」、かわっていく「恋人」、死に行く大嫌いな「父親」。周囲をとりまく環境が目まぐるしく変わる中、僕は故郷の福岡と東京を行き来しながら、自分と「家族」を見つけなおしていく。不完全な家族が織りなす、歪だけど温かい家族のカタチ。
著者等紹介
松居大悟[マツイダイゴ]
1985年、福岡県生まれ。劇団ゴジゲン主宰、映画監督。2009年『ふたつのスピカ』(NHK)で同局最年少のドラマ脚本家デビュー。2012年、長編映画初監督作品『アフロ田中』が公開。『私たちのハァハァ』でゆうばり国際ファンタスティック映画祭2冠受賞。2017年に北九州市民文化奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
91
ちょっと自分が思ってたのと違った雰囲気の作風で、最後まで戸惑いつつ読了でした。小さな劇団で演出を手掛ける「タケシ」の元に突如届く父の余命宣告。父の余命があと3ヶ月と言われ、今までのコトを振り返りつつ、今の、そしてこれからの自分がやりたいコトを考えていきます。テーマはとてもヒューマニティ溢れる内容なのに、なぜか作品にイマイチ入り込めなかったです。多分主人公のキャラにハマれなかったんだろうなと。父親との関係性もなんだか、ぼんやりしてて、もっと純粋にまっすぐ感動できるかと勝手に期待してましたが、ちょっと残念。2023/12/22
いたろう
71
山内マリコさんの「アズミ・ハルコは行方不明」の映画化作品などを撮っている松居大悟監督の初小説。東京の小劇場で公演する劇団を主宰するタケシは、両親の離婚以来、疎遠になっていた福岡の父親から急に連絡を受ける。ガンで余命いくばくと言われた父親との距離感に戸惑うタケシ。その父親、母親、そして、兄との関係。そんな中、小劇場の演劇から、徐々に活動の場を広げていくタケシだったが・・・。「家族」が縦糸、「演劇」が横糸の物語は、福岡生まれで演劇出身の松居監督自身の経験も反映されている? 監督自身での映画化はあるのだろうか?2020/09/21
葵
20
監督、小説も書いてたんですね!しかし家族って難しい。友達や恋人と違って自分で選び取った関係ではないし。私自身、永らく会っていなかった父に今年6月あることでキレ、30数年生きてきて初めて思ってたことを本人にぶつけたので、このタイミングで家族の物語は刺さった。そして「さあハイヒール折れろ」や「くれなずめ」に出てきたセリフや自身の経験が存分に反映されていた。もう小説の体をとった自伝と言っても過言じゃない。家族がメインテーマだけど、主人公の自意識過剰ぶりは松居さんのそれであった。プチ松居大悟祭り、これにて終了!2022/09/20
けえこ
13
初読の作家さん。 小劇場の脚本・演出家と家族の話。フィクション。 リリー・フランキー東京タワー的な、オカンがオトンに変え、そこに一族郎党を増量したような作品。 2021/05/20
りょう
9
肉親のすべてが大好き、なんていうひと、実は信用出来ないんじゃないか、と思う腹黒いあたしは、このくらいの、最後に見送るときにありがとうじゃなくて、またな、くらいの感じが、率直でわかるなあ、と感じます。そこに至るまでのあれこれが、長すぎ感もあるけど、どうやら読了。2020/10/06