出版社内容情報
さいとう・たかを[サイトウ タカヲ]
著・文・その他
戸川 猪佐武[トガワ イサム]
著・文・その他/原著
内容説明
昭和20年8月、日本はポツダム宣言を受諾し、GHQによる日本占領が始まった。昭和21年5月に総理に就任した吉田茂は、佐藤栄作、池田勇人をはじめとする官界出身の俊英を集め、「吉田学校」と呼ばれる面々が顔をそろえた。一方、「党人派」と呼ばれる古参代議士たちは反発を強める―。
著者等紹介
さいとうたかを[サイトウタカオ]
劇画家。1936年、和歌山県生まれ、大阪府育ち。17歳で描いた『空気男爵』でデビュー。上京し、「さいとう・プロダクション」設立。2003年に紫綬褒章、2010年に旭日小綬章受章。2019年東京都名誉都民に選出
戸川猪佐武[トガワイサム]
1923年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治学科卒業。読売新聞社政治部記者を経て、政治評論家として活躍。『小説吉田学校』は戦後政治を生々しく活写し、ベストセラーとなった。1983年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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highig
10
( ^ω^)敗戦、占領、独立、復興、高度成長という戦後日本の政治的ダイナミズムを活写した戦後政治史を描いた傑作『小説吉田学校』の劇画化。本巻は敗戦後、短命政権に終わった東久邇、幣原から、戦後日本の大立役者吉田茂の登場と当時の社会情勢の政治状況下、妥協なきワンマンが如何にして対立を乗り越え、信念を貫き、後に奇跡の戦後復興と呼ばれる大仕事を成し遂げていったのかを描いていく。この辺りは、言い方はなんだが、世界史的にも稀な大成功の光に満ちた日本政治史の最も面白い部分の序章なので何度読んでも非常に楽しく、興味深い。2021/04/29
スターライト
3
戦後の政治の歩みを首相を中心に描く劇画。本書では吉田茂が取り上げられているが、読売新聞社版から出ていた2冊を再編集したためか、前半と後半で時系列が前後している。それはともかく、敗戦・占領・復興の時期を吉田茂とその周辺が主な舞台とはいえまとめて読めるのはありがたい。GHQも日本側にも日本の戦後処理については意見の相違があり、良くも悪くも形作られていく過程が浮き彫りにされている。ここに出てきた政治家が、その30年後に首相になっていくとは。2021/11/26
ちゃーりー
3
新しい総裁、総理大臣が決まるまでに、全巻を読み終えるかどうか、分かりませんが。いわゆる、さいとう・たかを プロダクション による、特徴のある描画ですが、吉田 茂をはじめ、政官財界の大人物たちが、非常にリアルに描かれています。「日本の歴史」のような、学習まんが、も同様ですが、史実になぞらえるときは、その顔立ちや、歴史的な考察を踏まえた、リアリティを重視しています。それにしても、安倍総理が、巻末に列せられる日が来たりするのでしょうか。2020/09/09
オランジーナ@
2
権力闘争2023/10/20
ぶるーめん
2
小説吉田学校をベースに劇画化。第1巻は吉田茂と、それに絡んだ池田勇人と佐藤栄作のエピソードが中心。いかに進駐軍占領下の日本が厳しい状況にあったか、その中での骨太な政治家とは(現在と同じく政局しか考えていない政治家も多い)など、考えされられることが多かった。ただ、登場人物に馴染みがないので、前に疾風の勇人を読んだことがなかったらついていけなかったかも。2020/03/06