出版社内容情報
孤高のミュージシャン、そして小説家。
魂の最新長編書き下ろし。
「十四歳。私は父を殺すことに決めた」
孤独と怒りを抱えた少女が、崩壊寸前の家族を捨て、
全寮制の中学校へ行くのは圧倒的なひらめきだった。
家を出て行った父と、それを受け止めた母、静かに悲しむ弟。
四人家族の輪から最初に抜けたのは、私。
それでも私は「父親」という存在にいつまでも囚われている。
許せない、苦しい、わかってほしい。
私は「特別な子ども」になりたかったーー。
「この話を書かずに、のうのうと作家人生を送れたら良かったのにーー黒木渚」
4年ぶりフルアルバム「檸檬の棘」同名小説、ついに刊行!
内容説明
孤独と怒りを抱えた少女が、崩壊寸前の家族を捨て、全寮制の中学校へ行くのは圧倒的なひらめきだった。家を出て行った父と、それを受け止めた母、静かに悲しむ弟。四人家族の輪から最初に抜けたのは、私。それでも私は「父親」という存在にいつまでも囚われている。孤高のミュージシャン、そして小説家。魂の最新長編書き下ろし。
著者等紹介
黒木渚[クロキナギサ]
宮崎県出身。大学時代に作詞作曲を始め、ライブ活動を開始。また、文学の研究にも没頭し、大学院まで進む。2012年、「あたしの心臓あげる」でデビュー。2014年、ソロ活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
60
いつも利用している電子書籍で無料だったので読んでみた。少女が父親を嫌って家を出て少し成長する。そして父親が死ぬ。なぜそこまで父親を嫌悪するのかが語られていないので、何も入ってこなかった。2020/04/14
リッツ
34
タイトルの漢字の美しさに手にした本。家庭を捨てた父に怒りを燃やすことで強くあろうとした主人公。前半は家族と離れて暮らす彼女に干渉する薄汚い狡い人たちの生々しさに思わず呪いの言葉を吐いた。が、もう後半はそれどころではなく、彼女の心を占める父親への思い、張りつめた気持ちが崩壊し凪いでいく迄の孤独が胸いっぱいに流れ込んできた。プロフィールを確かめ私小説と知り納得。歌手とは知らず驚いた。本と同名のアルバムが出たらしい。2019/12/18
coolgang1957
32
こげん小説は好かんばい。と博多弁をちょっと真似してみました😅なんかねえ、父娘の話はお父さんとしてはドキドキします。この前に読んだ『不在』もそうで、気持ちがふわふわ😕初読みの黒木渚さんでした。2020/01/08
ケー
11
音楽家であり、小説家でもある黒木渚の最新作。久々のライブツアーに行くのでその予習も含めて読了。かなりパーソナルな部分に踏み込んでいて、これを書くのは本人ももの凄い精神力がいっただろうなと感じる。黒木渚の世界観に浸るなら音楽だけでなく、マストで読んでおきたい。アルバム『檸檬の棘』と小説『檸檬の棘』、ツアーでどのように表現されるのか楽しみ。2020/01/11
にか
8
この人の言葉のチョイスが好き。比喩表現はとくに好き。宮崎出身だという作者の博多弁は実にリアルで福岡在住の私は自然に感情移入してしまっていた。大学生以降の主人公の栞とはすごく近いものを感じてしまったよ。考えてること、感じてること、発してしまう言葉すべてが。あぁ、そうなんだよなぁ。そうなんだよねぇ。心に響いたので歌手でもある作者の歌もYou Tubeで聴いてみた。こっちも好きになった。2020/05/06