出版社内容情報
今日も働く、人類へ
至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。
人類は≪仕事≫から解放され、自由を謳歌していた。
しかし、心理学を趣味とする内匠成果【ないしょうせいか】のもとを訪れた、
世界でほんの一握りの≪就労者≫ナレインが彼女に告げる。
「貴方に≪仕事≫を頼みたい」
彼女に託された≪仕事≫は、突如として機能不全に陥った
タイタンのカウンセリングだった――。
アニメ『バビロン』『HELLO WORLD』で日本を震撼させた
鬼才野﨑まどが令和に放つ、前代未聞の超巨大エンターテイメント。
内容説明
至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。人類は“仕事”から解放され、自由を謳歌していた。しかし、心理学を趣味とする内匠成果のもとを訪れた、世界でほんの一握りの“就労者”ナレインが彼女に告げる。「貴方に“仕事”を頼みたい」彼女に託された“仕事”は、突如として機能不全に陥ったタイタンのカウンセリングだった―。
著者等紹介
野〓まど[ノザキマド]
2009年『“映”アムリタ』で、「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
349
読メの評判が良いので読みました。野崎 まど、初読です。本書は、SF23世紀AIお仕事小説でした。現在のAIは、記憶力が良く知能指数の高い幼児のような状態だと考えています。流石に23世紀になると本書のような状況の可能性が出てきます。本書は、『SFが読みたい! 2021年版』にノミネートされるかも知れません。機会があれば、著者の他の作品も読んでみたいと思います。2020/07/22
みっちゃん
189
生活に必要なものは、全てAIが調達してくれる。労働すらも必要ない。好きなことをしていればいい、夢のような世界。そのAIが機能不全に。原因は何とうつ病。そこで心理学を「趣味」としていた学者がAI「タイタン」のカウンセリングを「仕事」として依頼される。あまりにもあり得ない、とこちらの拙い想像力を越えた展開に目を白黒させながらも、これ、映像で観たら見応えあるだろうな、と。超巨大エンタメを楽しみながら、最後には働くこと、そして生きていくことの意味に思いを馳せる自分がいた。2021/03/10
kou
174
コイオスが人格形成し成長していく過程から目が離せず、ずっとドキドキしながら読んでいた。そして、もう一つのテーマ「仕事とは?」・・・こちらも仕事に対する考え、自身の仕事への捉え方を、もう一度、見つめ直す切っ掛けになった。いつか周囲に良い影響を与え、良い影響を受けれる存在になりたい。2020/07/22
美紀ちゃん
153
近未来もの。とても理想的な未来の世界。仕事は全てタイタンがやってくれて人間は仕事をしない。欲しいものが手に入り、広い住居で心地よく暮らせる毎日。素晴らしい。内匠成果はコイオスとカウンセリングとして話をするうちに親しくなり友人と呼べるところまで仲良くなる。仕事とは何か?それをきちんと答えられる人がいない。タイタンのAIもわからない。仕事とは、影響すること。やり甲斐。コイオスは仕事が簡単すぎて心を病んでいた。実写化よりアニメ化という印象。300年先の話。スケールの大きい話でワクワクしながら読んだ。2021/06/01
ひさか
136
メフィスト2019vol.1(2019年4月)、vol.2(8月)、2020vol.1(2020年4月)掲載のものを2020年4月講談社から刊行。12機のタイタンシリーズAIに管理を委ねた、働く必要の無い世界。2機めのタイタンAIであるコイオスの機能不全の調査をすることになった女性と調査チームとAI達の物語。AIを直立歩行させる展開は驚きだし、タイタンと対話するためのガジェットが面白く楽しい。仕事にはやりがいが必要というありふれた問題を超消費体ヘカテで解決するくだりは、感動ものです。2020/11/22
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- 和書
- 熊谷突撃商店 文春文庫