出版社内容情報
このままでは日本の競馬はダメになるーー現役最強牝馬アーモンドアイをつくった調教師による“覚悟の提言”
内容説明
このままでは日本の競馬はダメになる―現役最強牝馬アーモンドアイをつくった調教師による“覚悟の提言”。C.ルメール騎手特別インタビュー収録。
目次
第1章 調教師が大事にしていること
第2章 調教師の戦略
第3章 最強馬のつくりかた
第4章 海外レースに挑む
第5章 東西格差をどう解消するか
第6章 日本競馬への危惧
著者等紹介
国枝栄[クニエダサカエ]
1955年岐阜県生まれ。JRA調教師(美浦)。東京農工大学農学部獣医学科卒業後、1978年から美浦・山崎彰義厩舎で調教助手、1989年調教師免許取得を経て、1990年開業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomomi Yazaki
16
まず最初の印象。注)が多すぎる!それもほぼ毎ページに。読まないと気になるし、いちいち読むのはうっとうしくて集中できない。なんで巻末に載せないの?と、文句はこれくらいにして・・・国枝調教師によると、馬を叱る人は多いが、叱らない人の厩舎の方が成績が良い。それから東西格差の問題。何となく知っていたが、勝ち星で600勝、賞金で180億円も違う!専門家でも知らない、重賞での牝馬一頭は買い!凱旋門賞の全記録も記載され圧巻、世界の壁の厚さを否応なしに見せつけられる、などなど、使える情報も時々あってちょっとお得な競馬本。2019/11/22
Miz
13
アーモンドアイを管理する調教師として知られる著者の、日本競馬に対する提言。危機感を持って、競馬界(会)を変えたいという意気は流石と感服した。海外遠征についての言及もその通りで、馬もさることながら、騎手や調教師も海外へ行く機会を競馬会は与えるべきで、騎手に関していえばロバーツやペリエに始まり、デムーロ、ルメール、レーンなどの外国人騎手相手に対等なのは海外経験のあるベテランばかり。馬産についても、社台一色なのは如何かと思うようになって久しいが、結局それはケイバ村は何も変わっていないことを示すのでは。2020/07/16
雲をみるひと
12
トップトレーナーの1人である作者の競馬論。主に作者の半生記兼中央競馬改革論といった内容。中央競馬フアンにはわかりやすい内容だと思うが、それ以外の人向けではないと思う。もっともフアンや関係者以外の人が本書を手に取ることは少ないかもしれないが。2019/11/10
パラオ・スパニッシュフライ
11
私たちファンは華やかなレースを通してでしか競馬のことを知ることができない。今の競馬界の現状と今後の見通しを知るためには、中で働いている人のナマの声は貴重だ。そんな中で今一番旬な調教師が感じている問題点を述べており興味深く読むことができた。変わらない西高東低、除外馬問題、歪んだ手当。他の業界もそうだが、このご時世、排他的で昔からのしがらみや慣例に縛られた組織が生き残ることなどできない。外国馬が一頭も参戦しないジャパンカップが今の日本競馬の縮図。これからどう変わっていくのか、競馬界の奮起に期待したい。2020/03/21
kousei
10
19年10月発行ディープな競馬ファンしか手に取らないであろう競馬本が新書体裁で上梓されていたことに驚いた。アーモンドアイで有名なトップトレーナーの国枝師の東西トレセン格差や除外馬問題、海外参戦や報奨金制度など、勇気を持った親方JRAへの提言が中心。長年のファンとしては競馬を裏側から理解できて楽しめた。2022/05/17