出版社内容情報
高田 崇史[タカダ タカフミ]
著・文・その他
内容説明
安曇野・穂高で地元神楽衆の舞い手が刺殺される。遺体の耳は削がれ、「S」の血文字が残されていた。数日後、二人目の被害者が。死の間際、彼女は「黒鬼」と言い残した。鵜飼見物に石和を訪れていた桑原崇と棚旗奈々は、フリー・ジャーナリスト、小松崎に呼び出され、事件現場へ向かう。筑前博多近郊の古代海人・安曇族が移り住んだという地で起きた哀しい事件の因果を桑原崇が解き明かす。QED長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
67
今回の舞台は安曇野。神功皇后、武内宿禰、応神天皇にまつわる物語は想像を掻き立てられます。宇佐八幡信託事件にまで言及されると納得してしまいます。昼ドラみたいなドロドロ感ある殺人事件には唖然としてしまいました。2019/11/30
ポチ
56
曇=ずみ、良く考えたら読めないなぁ。九州の安曇族、隼人。神功皇后の話。へぇ〜、そんな見方もあるなぁ、などと蘊蓄を楽しみました。2019/12/08
rosetta
31
★★★☆☆改めて思ったのだが、プライベートな旅行先で勝手に事件に巻き込んでおいてタタルのことを空気の読めない奴と貶す小松崎の方が迷惑な空気の読めない奴では無いか!それにしても日本の神話ってやつはいい加減なでっちあげばかりなのだなぁ。って当たり前か、誰かが自分に都合のいいようにこしらえたものなんだから。2019/12/16
agtk
30
QEDシリーズ。完結したのかと思っていたが、本格的に再開したようで何より。今回は安曇野。タタルの蘊蓄はいつものことながらお見事。タタルに反応する奈々の夫婦漫才風の心内突っ込みににやりとさせられる。タタルの「俺ほど、この国における天皇の重要性と、天皇家を必要欠くべからざる存在だと考えている人間はいない」には感服。新作が待ち遠しい。2019/11/17
TAMA
29
毎回楽しくて楽しくて。神社って面白い。お寺も面白いけど、この作者さんの本は生きてた人の歴史が<為政者の美しく直した「勝てば官軍」の歴史、ソコに奪われた人の忘れてなるものかっていう執念の文書と風習>、そして昨今のネット小説の《奪われた人のざまあ》が実際奪われた人への癒しの供物のようにも思えた。言葉の言いかえをこれでもかと並べる手法も好きだけれど、目が悪くなってきて 滑るー、覚えてられない。できれば、上下に分けてもいいから図表にしてもらえまいか2020/01/29