出版社内容情報
迷惑、顰蹙、無理難題。人生、困ってからが面白い! 奥田英朗の蔵出し短編集! 貴重な対談2本も収録。
内容説明
夫婦での帰省中、なぜか車にヒッチハイカーを乗せる妻。乗った男が失礼で腹を立てる夫だが、妻は今度は見知らぬ老婆を乗せて…(「ドライブ・イン・サマー」)。娘が外泊したいと言い出した。きっと彼氏とだ。母はどうするべきなのか(「セブンティーン」)ほか、微妙な空気を絶妙に描き出す、名手の貴重な作品集!
著者等紹介
奥田英朗[オクダヒデオ]
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。第2作『最悪』がベストセラーとなる。続く『邪魔』が大藪春彦賞を受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
116
★★★★☆20004 ①会社退職後、設立会社の社長になったものの、当てにしていた取引先の仕事が... ②は①のその後。大阪あきんど凄い! ③対談 ④あらら、知らない人をそんなに車に乗せて大丈夫?つーか、この奥さんが分からん。面白過ぎ〜 ⑤ショートショートとはいえ、短かぁ〜。⑥店内で上の者が若手を客に聞こえるほど叱っていたら、そりゃ耳障りだ。 ⑦対談 ⑧年頃の女の子が初めて親に「誰ちゃんの家に泊まるよ」と。はい、親はドキッとする事でしょう ⑨この話、良かった〜!自転車に初めて乗れたときの事を思い出した2020/01/08
アッシュ姉
115
登録本1300目は愛する奥田さん、愛すべき英朗さん、愛してやまないオクちゃんの待望の文庫新刊で。アンソロジーなどの短篇、唯一のショートショート、対談を収録したコアファン向けの蔵出し作品集。すべて未読だったので読めて良かった。企画してくださった編集者の方に感謝。対談はかなり前のもので贅沢を言えば最近の話が聞きたかったが、作家としてだけでなくお人柄も垣間見えて興味深く、あとがきも面白かったので納得。意外にも読者の声を気にされている奥田さん。読書メーターで叫んでいる私の愛がどうか届きますように。2019/09/24
ふう
112
久しぶりの奥田作品。1話目「おれは社長だ!」と2話目の作品はつながっているのですが、主人公よりも周りの人たちがいい味。子どもとのインタビューのやり取りもおもしろくて、奥田さんらしさを楽しみました。そのあとの「ドライブ・イン・サマー」は疲れました。自覚のない悪意は笑えないですよね。わたしの気持ちが落ち込んでいるからかな。作品のせいじゃなくて、コロナウィルスのせいかもしれません。2020/04/01
じいじ
109
奥田氏の未発表の短編を搔き集めて一冊にした感じだ。さすがストーリ―テラーの奥田さん「玉石混淆」にならず、どれも面白い。とりわけ、サッカー・ワールド戦のドイツ大会、対日本との試合を題材にした、クロアチア目線で書いた作品がメッチャ気に入りました。たった4ページのショーショートで、物足りなさは否めないが、馬鹿げていてユーモア溢れる面白い作品です。(ご本人も「こうした馬鹿話は好きだ」と、あとがきで述べています)。『varietyーヴァラエティ』の表題は、じつに的を射ています。気分直しに格好の一冊です。2020/01/22
レモングラス
98
山田太一さんとの対談、イッセー尾形さんとの対談も収録されていて読み応えがありました。「イッセーさんの芝居を観て、おこがましいですけど自分と共通点があるなと思うのは、人物描写が人物模写なんですよね」「山田さんは絵空事じゃなくて、市井の人にものを言わせるんですよね」「小説のリアリティも、最初の数十ページで信用を得ちゃえば‥‥」など何度となく読み返しました。お蔵入りしたかもの短編もいくつか集められていて、シリーズ化しようとして2本で力尽きた「おれは社長だ!」は続きが気になるところ。「夏のアルバム」も好きです。2024/05/06