内容説明
サンフェルナンド市警の刑事として、自発的に未解決事件捜査にあたっているボッシュ。三十年ほど前に逮捕し、服役中の死刑囚連続殺人犯ボーダーズに関し、新たな証拠が出たとして、再審が開かれる見込みだと聞かされる。一方、薬局経営の親子が銃殺されるという事件が所轄で発生、麻薬捜査に駆りだされる。
著者等紹介
コナリー,マイクル[コナリー,マイクル] [Connelly,Michael]
1956年、アメリカ・フィラデルフィア生まれ。フロリダ大学を卒業し、フロリダやフィラデルフィアの新聞社でジャーナリストとして働く。彼の手がけた記事が、ピュリッツァー賞の最終選考まで残り、ロサンジェルス・タイムズ紙に引き抜かれる。「当代最高のハードボイルド」といわれるハリー・ボッシュ・シリーズは二転三転する巧緻なプロットで人気を博している
古沢嘉通[フルサワヨシミチ]
1958年、北海道生まれ。大阪外国語大学デンマーク語科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
148
いつの間にボッシュシリーズはディック・フランシスの競馬シリーズのような題名をつけるようになったのだろうか。原題は“Two Kinds Of Truth”と実にかけ離れた邦題である。これは作中に出てくる2種類の真実を意味する。こうやって考えるとやはり本書の題名は原題に即してせめて『それぞれの真実』とか『真実の別の顔』とかにならなかったのだろうか。まあ、後者はシドニー・シェルダンの小説の題名みたいだが。しかし今まで古今東西の薬物事件を読んできたが、とうとうアメリカはここまで来たかという思いを抱いた。2021/04/03
ケイ
136
2年ぶりのコナリー。2年ぶりのボッシュ。異母弟もまた一緒。というか、過去の登場人物たちが勢揃いしてきたもよう。冒頭からボッシュはいきなりピンチに。随分と危ない橋を渡ってきたから、私も疑ってしまったよ。数年前に、処方箋を使った新しいマフィアについて本を読んだ。オンラインを使った新しい犯罪。これをコナリーは持ってきたんだね。いつもUptodateなコナリーはさすが。2021/09/20
のぶ
93
マイクル・コナリーの本は全作読んでいるが、本作もまだ上巻を読む限りだが、やはり面白い。ボッシュの立場は前作同様、サンフェルナンド市警に嘱託刑事。30年程前に逮捕し、服役中の死刑囚に対して、新たな証拠が出たとして、再審が開かれる見込みだと聞かされる。その事件の証拠捏造を疑われながら、管内で発生しした薬剤師親子の殺人事件を追うボッシュ。昔からのメンバーやハラー弁護士も物語に絡み、懐かしさも感じさせられる。60代半ばを過ぎているボッシュの活躍がたまらない。下巻でどんな展開が待っているのか?感想はその後に。2020/09/09
パトラッシュ
70
第一作でハリー・ボッシュのパートナーだったジェリー刑事が28年目にして再登場とは。その間ボッシュは心身とも傷だらけになりながら容疑者を追い続け、ロス市警に見捨てられても刑事であり続けた。純血種の刑事といえるボッシュの、どれだけ追い詰められても決してあきらめない姿に魅了されてしまう。今作でも有罪証拠を捏造した疑惑をかけられながら薬物密売組織への潜入捜査をこなすなど、65歳とは思えぬタフさに感嘆する。大統領は何人にも変わったが、老いても犯罪と戦い続けるボッシュこそミステリ界のアメリカンヒーローなのだ。(続く)2020/09/19
chiseiok
54
いくら新作出しても全然クォリティ落ちないコナリーやばいです😅。今回もコールドケースとホットケース(って言う?w)の二本立て、予備警察官の立場を超えて大忙しボッシュ。冷えピタ差し入れたくなるほどの緻密な資料精査と推理が導く劇的ブレイクスルー、この緩急たまらんです。頼れる異母弟ミッキーやお久しぶりのシスコ、さらにお久しぶりのエドガーと、脇の固めも万全、シリーズならではの楽しさですなぁ。ラストは還暦でそこまでやっちゃって大丈夫かボッシュ!と、絶妙のヒキです。油断してドラマ版“BOSCH”観なきゃ良かった〜笑。2020/08/22