内容説明
ファーウェイ本社、完全取材!世界経済の趨勢を決める「戦争」を徹底検証!
目次
第1章 「ファーウェイ帝国」の全貌
第2章 トランプ政権が仕掛けた対中ハイテク覇権戦争
第3章 中国の「5G制覇」に怯えたアメリカ
第4章 EUを巡る米中の攻防
第5章 米中「経済ブロック化」の行方
第6章 米中の「最終決戦場」台湾
終章 ファーウェイと日本
著者等紹介
近藤大介[コンドウダイスケ]
1965年埼玉県出身。東京大学卒業、国際情報学修士。講談社『週刊現代』特別編集委員、『現代ビジネス』中国問題コラムニスト。明治大学国際日本学部講師(東アジア国際関係論)。2009年から2012年まで、講談社北京副社長。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
91
政治に関しては筆者は米中のどちらにも肩入れしないというスタイル。「ファーウェイはファーウェイであり中国政府の道具ではない」という印象が残った。ファーウェイの任正非CEOは中国政府と商売以外では距離を取りたがっている。むしろ色メガネをかけて読んでしまうのは自分の方だった。中国大陸に住み、かつ政治に関わりのないほとんどの人は任CEOの考え方を支持するのではないか。包丁のようなローテク製品でも使う人間によっては調理をする道具にもなるし、人を傷つける道具にもなる。たとえで話をするとそんなところか。2020/08/23
ミライ
37
第5世代移動通信システムである「5G」を巡るアメリカと中国の対立について徹底検証した一冊。「5G」に関しては、現在のところ中国のファーウェイが世界を牽引するといわれていたが、2019年5月にアメリカのトランプ大統領がファーウェイの規制を発表、これによりアメリカVS中国のハイテク冷戦が深刻に。本書ではファーウェイという会社の全貌から、アメリカがファーウェイを規制した思惑、EUを巡るアメリカ中国の攻防まで、世界の政治・経済的観点から「5G」について語られる。「5G」については日本は若干置いてけぼり感あるかな。2019/11/20
kawa
31
ファーウエイ・米中の通信戦を知るガイダンスとしては有益。結局、覇道の争いで、どちらに正義があるかという問題ではない。中国若手技術者の10、20年すれば「個人データも個人の行動も外部に捉えられ、この地球上からプライバシーという言葉は死語になる」の言。その意味で中国は世界最先端。中国国民はこのことにどう対応するのだろうか?大いなる実験場に注目だ。筆者は長年の中国ウオッチャー。そのせいか、ファーウエイ・中国の提灯持ち的筆致が気になる。アメリカ側の意見事情も取材したうえでの言説だとさらに説得力が増しただろう。2020/03/18
しーふぉ
20
著者が実際にファーウェイの本社に行った辺りが面白かった。創業者は哲学的で質素、顔を出したがらず、一般の社員食堂に行くことがあるなど好印象です。アメリカが情報を盗み見るのか、中国が盗み見るのか、どっちが良いのかの違いだけみたいなことをフランスの人が言っていた。そういう一面はあるようです。2020/10/24
竹内靖
13
著者近藤大介は中国ウオッチャー歴30年というだけあってやや中国よりの感はあるが、未来予想図としては21世紀以降の世界は中華が支配するだろうという世界観が常識的だろう。それが今まで米国が担ってきた4Gの世界から5G、6Gの世界が中国が先行していくことについて米国は許せないのだろう。今後日本企業は中国企業の下請けとして生きていくのか、米国の隷属を続けていくのか?ちっゃくてもいい存在感のある技術大国を目指してほしい。!2019/10/15