感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
82
ムーミン一家が誰も出てこない。個性的な面々がムーミン一家に会いたくて家を訪れるが、ムーミン一家は不在。きっと前作「ムーミンパパ海へいく」の裏返しの話。そこで奇妙な共同生活が始まる。それぞれ悩みを抱えていたはずなのだが、共に暮らすうちに解決していく。そして、自分の世界に帰っていく。ムーミンたちに会えない寂しさに溢れているのに、皆んなでパーティしたり楽しげでもある。それぞれの個性を大切に生きていくことの素晴らしさを描きつつ、「物語」の虚構と現実を描いているようだ。これにて、「新版ムーミン全集」全9巻完読。2022/01/28
おっとっとっ
62
ムーミンシリーズ最終話の「ムーミン谷の十一月」個人的にムーミンシリーズで一番好きな話 「ムーミンパパ海へ行く」と同時進行で話がされているのがとても良かったです 雄一ムーミン一家が出てこない話で、見知らぬ人たちがムーミン屋敷で共同生活を送っていく。 心が軽くなる本です(^^)2022/12/19
だまし売りNo
43
スナフキンのカッコよさが登場人物によって語られる。「だれのさしずもうけずに、自分のすきなところへいって、とじこもっている」。規制に従属しない存在である。2024/01/27
❁Lei❁
26
曲のフレーズを探すスナフキンや大好きな掃除ができなくなってしまったフィリフヨンカなどの六人がムーミン谷を訪ねるのですが、一家は留守で、奇妙な共同生活が始まります。それぞれの個性がひとつの家の下でぶつかり合い、危うくも楽しげな不思議な空気感が満ちています。ごちゃごちゃともので溢れかえった中から、自分が求めているもの、したくてたまらないことを見失ってしまうことは往々にしてあるでしょう。そんなときは一度きれいさっぱり掃除すれば、自分が本当に大切にしたいものを見つけ出せるかもしれません。2021/10/19
棕櫚木庵
21
“最後のムーミン小説で,ムーミン一家は登場せず,ムーミン屋敷にやってきた登場人物たちがムーミン一家の帰りを待つ物語”という評(『トーベ・ヤンソン』カルヤライネン, 河出書房, 2014, p.292ff)に興味を惹かれ借りてみた.でも,なんだかよく分からなかった.登場人物たちの心理・気持ちの移り変わりを追いかけかねた.寓意を読み取りたくなるような話だけど,多分,そういう読み方をする物語ではない(のかな?).→2023/03/23