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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
48
正直なところ絵はうまくないんだけれども、大切な人を喪った後の心の在り様は、突き刺さるというより薄いヴェールに包まれたような“やるせなさ”をしっくり描いていて、心に残る一冊になった。前向きに立ち向かう、でもなく。受け止めて前に進む、でもなく。ずっと忘れない、と誓う訳でもなく。ちょっとだけ受け入れながら忘れたくないと思い、生きる努力をしながら、天を仰いで涙を流す、そんな主人公の心の在り様が、とてもとても現実的な・・・。2023/06/27
KI
38
遅すぎることはない、なんてことはない。僕は永遠に準備中。2020/05/26
トラシショウ。
31
「また連れてってあげようと思ったけど、結局その機会は二度と来なかった。まぁ、こういうケースの場合、よくある話なのかもね」。読み友さんの感想から。いつもの様にさよなら出来ず、機嫌を悪くしてちょっと気まずいままに別れた二日後、恋人・まつきよに先立たれた作者・チャド。遺体を目にしても、遺族と共に葬式に出ても、どこか実感の湧かない大切な人の死。作者が日々の忙しなさの中で薄れていってしまう彼女との日々を、記憶から記録へと残していく形で納得しようとする、極めて私小説的なエッセイ漫画。とても、重い(以下コメ欄に余談)。2019/09/10
fumikaze
8
心臓の不整脈による突然死‥‥あるんだ、そういうことが、本当に。当たり前なのかもしれないが、私も不整脈(心房細動)でいつ脳梗塞を起こすかわからないと医師に言われても「どうせ人はいつかは死ぬ訳だし」と気楽に考えていたけどこわい。私は独り暮らしだから家で死んでいても誰も気付かないだろうなぁ。なんてことを思いながら読んだ。他の作品もあったら読みたいと思った。2020/02/13
笠
7
3.5 作者初読。恋人を失くしてしまった作者自信の絶望と、悲痛な叫びが克明に描かれている。随所に写真が用いられていて、実在感を直接的にアピールしてくる。作者の視点も一見冷静に描かれているように見えて、実は全然冷静じゃないところが妙にリアルに胸に迫ってくる。しかし本当にひたすら、恋人との思い出と、死別後の「世界はまだ美しい」というタイトルそのままの心境が語られるのみで、一つの作品としては物足りなさもある。何というか、料理ではなく、素材そのものを出された感じというか。ちゃんと料理になった作品も読んでみたいな。2019/09/08