出版社内容情報
ロボットの捜索を職とするサルベージ屋、誰の所有物でもない「自由ロボット」、半永久的な耐用年数を持つ「時間航行者」……。さまざまな視点で描かれるヒトとロボットの未来世界。時の流れの中で、いつしか彼らの運命は1つの大きな終着点に向かって動きだしていく……。世界の行く末を壮大に夢想した、ロマンティック・フューチャー。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鱒子
62
打ちのめされています。すごい漫画を読んでしまった……著者初読みです、こんな漫画家が居たのを知らなかったなんて、今までの人生損してきた!と思わせられるほど。ーーロボットと人類が共存する未来。さまざまな語り手たちが代わる代わるあらわれ、紡いでゆく未来史。第1話がカッコ良すぎて、もう!!2019/10/30
天の川
50
シンプルな絵に静寂が漂う。人間のためにつくられたロボットの寿命は半永久的(爆発した原子力発電所の核燃料回収に動員されたロボットは別として)。気の遠くなるようなタイムスパンの任務に就く時間航行士の3人、長い時を経て邂逅をくり返す自由ロボットの2人…彼らは人間のためにつくられたが、長い時の中で人間は存続ができなくなっていったようだ。伊藤サチオが島唄「加那よ」で踊るシーンが何故か心にしみる。2021/12/09
スター
43
未来を舞台にした、様々なロボットを描いたSF短編集。独特の絵柄が良き。 どの作品も味わい深いが、個人的にお気に入りなのはハードボイルドタッチの一作目。2020/05/14
☆よいこ
36
マンガ。#1.サイモン・チャンはレティシアを探している。#2.ロボット塚。#3.時間航行士(タイムノート)のクロエ、5万年の進化の果て。#4.フリードロイドの伊藤。#5.放射能廃棄物の管理オンカロの管理人。25万年の仕事につく恩田カロ子。6000年後に帰還予定のロケット出発。#6.発声機能の故障した伊藤の記憶(記録)▽デザインチックな文字が印象的。好み2020/01/27
hiace9000
35
「人間らしさ」とは何か。ロボット(AI)と人間が共存する未来を舞台に、人類:ホモ・サピエンスに代わり、ロボットが地球上を支配する時までを描いた本作。手塚治虫文化賞作家は、温かみのある線と、不思議なほどの静寂感に満ちた「コマ」と「コマ」の間に、壮大な時間と空間を埋め込み、幾度も現れる「…」に語り尽くせぬ言葉を語らせる。原子力廃棄物貯蔵庫オンカロの25万年の番人、恩田カロ子にとって一瞬にして過ぎる100年。その後の下巻へと続く。2021/10/24