出版社内容情報
2019年本屋大賞 発掘部門「超発掘本!」選出の著者、「もう一つの超発掘本!」ーー帰るべき場所のため戦う人々に捧げる物語。
内容説明
妻を人質に取られ、逃亡した神殿騎士を探す旅に出た鍜冶屋の男。道中、何者かに襲われたことから、これがただの人探しではないことを知る。金貨に刻まれた暗号、十字軍遠征の真相、そしてキリスト教圏を揺るがす聖遺物の行方。謎の騎士は本当に存在するのか。誰のことも信じるな。歴史の巨大な謎に迫る!
著者等紹介
神山裕右[カミヤマユウスケ]
1980年愛知県生まれ。名古屋経済大学法学部卒業。2004年、『カタコンベ』(講談社文庫)で第50回江戸川乱歩賞を24歳3ヵ月、史上最年少で受賞し、デビュー。『サスツルギの亡霊』(講談社文庫)が2019年本屋大賞発掘部門「超発掘本!」に選出された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
27
結末はあまりしっくりとしないですが、最後まで一気に読めたので、面白かったのかなと思います。悪に鉄槌をくわえてほしかったです。2022/12/31
yamakujira
3
王府に妻を人質に取られ、逃亡した騎士の捕縛を命じられたジェラールは、監視役のピエールを連れて探索に旅立つが、何者かに襲撃され、逃亡者が抱える秘密が徐々に明らかになる。フィリップ4世治世化の中世フランスが舞台だから、なじみ薄い時代背景の咀嚼に手こずるものの、それぞれの信念が招く非情な運命にひきこまれていく。アンドレもルイーズもピエールも、そしてマルグリットも悲しい。信仰は思考停止を招き排他的な攻撃性を生むから、宗教って害悪だとつくづく思ってしまう。ジェラールには王に復讐してほしかったな。 (★★★☆☆)2020/08/03
Sept
1
前2作の「カタコンベ」「サスツルギの亡霊 」よりも、よかった。この題材では仕方がないと思うが、読後の苛立ちがとても大きい。2021/08/26
たま
0
追う側だと思っていたら追われる側で。信心とは信念であり、救いであり、迷いであり、苦しみであり、口実であり…。人は疑うものだけれど、どうするかを決めるのは常に自分で、神はそれを見ているだけ。それが運命か。 迫害される人の姿は、迫害する側の、そして人間の持つ傲慢さや愚かさを浮き彫りにする。なぜ人は争いから逃れられないのか。2021/08/14
凌
0
サスツルギの亡霊から大分空いてかなり久し振りの神山さん。2020/03/12