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出版社内容情報
勤め先を失った傭兵と国民的名声を博す小説家。二人の旅は、国家を揺るがす謀略に巻き込まれていく……心躍る王道ファンタジー大作!
内容説明
大陸横断鉄道が完成し、蒸気機関の煙が街を覆う高度成長の時代―教会が絶対的な権勢を誇るユナリア合衆教皇国では、傭兵稼業は時代遅れの仕事になりつつあった。教皇庁により勤め先を潰された一人の傭兵・ソードのもとに、国民的人気を博す小説家・バーダロンから依頼が舞い込む。それは地図に載らない魔の山にあるとされる“伝説の街”への旅路の護衛だった。互いを罵り合いつつも、徐々に絆を深めていく二人の旅は、やがて国家と教会を巻き込む謀略へと巻き込まれていく…これは鉄の剣と、タイプライターの物語。
著者等紹介
南海遊[ミナミアソヴ]
小説家。『傭兵と小説家』がデビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei
29
「でもそこには ─ ─ ─ 何か途方もない物語があるような気がしないか?」(Kindleの位置No.1426)19世紀アメリカに似た世界。失業した傭兵はベストセラー作家に雇われる。小説家が求めるものは物語が宿る未知の現実。そして二人は旅に出る、鉄剣とタイプライター、聖女の予言を携えて。 「小説家in異世界」を探していて見つけました!面白くてどんどん読み進めました。ただし、私はこういった作品は読む機会が少ないので、多く読まれる方は「こういうの知ってるし」という感想もあるのかもしれません。2021/11/10
kana
28
ハイファンタジーかと思っていたらゴリゴリのSFで細部にわたるまで世界観のつくりこみがすごいし、ありきたりなラノベかと思ったら重厚なストーリー展開に圧倒されるし、とにかく良い意味で期待を裏切られるすばらしい作品でした。終盤の度重なるどんでん返しにも、すっかり騙されましたし、完成度が高い。ラノベかなと思ってパスしているSF好きな方にこそ読んでほしい!読後にはバーダロンのペンを剣として生き抜く覚悟も、ソードの暗い過去に蓋をしつつ傭兵という職業意識をプライドをもって貫く姿勢も共にかっこよく惚れ惚れする気持ちに。2022/10/10
ホシナーたかはし
22
厚さ・内容に反比例する値段!面白さに比例する重さ!王道すぎるほどに王道展開!朝日ソノラマや講談社ノベルの、ラノベと分別される前に書かれた冒険小説のよう。一つ難点があるとすれば、厚すぎる重すぎる電車で読めない。章ごとに文庫化してくれても良いのですよ?2021/05/01
yosa
17
なるほど『永劫館』を書いた人の小説でした。確かにこれは人に勧めたくなる。しかしそれは読み切ってからのお話で、それまではやや肩すかしを食らっていたのも事実。読み易いし終始丁寧だし見せ場もあるのに読んでる間はなんだか冗長で、物理的に長いとはいえその他の瑕疵はないのに作者が読者をどうやって面白がらせようとしているのかが伝わってこず、残りのページ数が10%を切るまで軸が見えてこなかった。『永劫館』ではジャンルをミステリとして謎を軸に据えたから大成功したのかも。ライトノベルとして読むのはもったいないねこの小説。2025/05/18
のれん
15
懐かしい王道冒険譚。 この一言に集約される文庫2~3冊分の大作。 スケールは徐々に大きくなりながら、キャラを余さず使い、描写が後から見直すとシンプルな一貫性を持つよう調節して描いている。 目新しさがないので、展開を予想しやすく、ページ数で飽きるかもしれないのが難点。 が、個人的には最後まで楽しめた。 スレイヤーズが台頭する前の男女の幻想冒険譚。今やハヤカワ文庫とかでもこんな雰囲気を持つ新作は出ない。 フィクションであるから報われるという著者のメッセージが入れ子構造で描かれているのがシンプルで気持ち良い。2021/10/03