内容説明
湘南に大邸宅を構え、巨大企業グループを擁する北原家。急逝した三代目の若き未亡人・紀子は、二代目の非嫡出子・志郎と結ばれ、その血脈を繋いでいる。しかし、複雑に入り組んだ一族の関係に、やがて変化の兆しがあらわれる―。11年ぶりの文芸誌連載長篇小説。
著者等紹介
石原慎太郎[イシハラシンタロウ]
1932(昭和7)年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」により第1回文學界新人賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞受賞。作家活動の一方、68年に参議院議員に当選し政界へ。後に衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。95年に議員辞職し、99年から2012年まで東京都知事在任。14年に政界引退。15年、旭日大綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
160
石原 慎太郎は、新作中心に読んでいる作家です。タイトルから古色蒼然としたメロドラマかと思いきや、湘南夫人 紀子をマグネットとした四角関係の群像劇、ミサイルの部品や国産シンフォニー、中越地震等、色々と仕掛けがあって意外と楽しめました。但し、結末に古さを感じました。【読メエロ部】2019/10/14
そうたそ
18
★★☆☆☆ どこか昭和のにおいを感じさせる一編。よく言えば古き良き、という言い方になるのかもしれないが、古臭さは否めない。湘南に大邸宅を構える巨大企業グループという設定からして、どこか浮世離れした感があり、いっそう入り込みにくいのかもしれない。欠点はないのだが、かといって面白みも見当たらず、昭和の華やかな部分だけを切り取ったような小説に思えた。2020/02/18
りょうけん
5
<陽> 夜更けに,冒頭部分をざっと斜め読みしたところ,少々むつかしそうだったので,翌日ネットで書評を幾つか拾い読みした。ナルホドそうなのですな,とあらすじを少し頭に詰めてから読んだ。 時代感覚みたいなものが僕にはちょっと異質なのかな。意図的だとは思うけど,物語にはインターネットなんぞは全く影を潜め,後半でケータイ電話が少しだけ登場する。だが,時代設定は間違いなく「現在」だと感じる。そして,最後はそれこそ昭和初期のブンガクの様な結末を迎えるのだ.まあ,こういう作風こそが作家石原慎太郎の真骨頂なのであろうが。2020/02/07
peace land
4
タイトルを見て、昔書いた本が再版になったかと思いました。作家というのは20代でも80代でも作風は変わらないみたいですね。表現方法も… 句読点の位置などは編集あたりで見てあげないのかな? 自衛隊の問題や企業のやり方などは面白かった。 無理に恋愛を入れなくても。昭和の時代の濡れ場。2019/10/20
ekoeko
3
初・石原慎太郎。湘南に大邸宅を持つ北原家の未亡人・紀子は一族の非嫡出子・志郎と再婚して家を継いでいる、というお話だけどなんというか古臭い文体、内容の上に人物の心がないので理解できなかった。今時、こんなしゃべり方をする人達いるのかな?(自分は知らない上流社会にはいるのかもしれないが。)志郎の子供かもしれないのに安直に自殺する紀子がよくわからん。周囲の人たちの反応もそれでよいのかと謎。違う時代のお話にすればまだなんとかなったのでは?とアドバイスしたくなった。2019/10/15
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