出版社内容情報
銀座のショーウィンドーに吊るされた奇妙な遺体。謎の遺留品に悩む警察をよそに、第二の被害者が拉致される。殺人分析班の見立ては。
内容説明
繁華街のショーウインドウに見せ物のように吊るされた演出家の遺体。現場からは精巧なマネキン一体が盗まれていた。被害者の消化器からイヤホンの片側が見つかり、その近くで発見されたICレコーダーには第二の被害者のものらしき苦悶の声が。おぞましい劇場型犯罪の行方と動機は。殺人分析班が推理で挑む!
著者等紹介
麻見和史[アサミカズシ]
1965年、千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
201
犯人に同情してしまいむしろ犯人を応援したかった。犯人…観念するには証拠が乏しすぎる!もっと踏ん張れ!と言いたかった。相変わらず高いクオリティのシリーズ。無理に複数の事件を組み合わせることなく今回もシンプルな劇だった。小劇場がもっと話題に上るかと思ったがあまり踏み込まず残念。absintheは小劇場が大好きで一時かなり通ったのだがコロナが拡散してからは残念ながら観ていない。個人的にはその辺を掘り下げてほしかった。2021/03/11
utinopoti27
124
銀座のショーウィンドウに吊るされた舞台演出家。持ち去られた「リアルマネキン」。被害者の胃に残っていた右耳用のイヤホンは何を意味するのか。そして第2第3の犯行が・・。銀座を舞台に繰り広げられる謎多き凶悪事件に、ヒロイン・如月塔子をはじめとした殺人分析班が挑む人気シリーズ第9弾。本作の読みどころは、お馴染み11係の円熟した連係プレーに加え、「観客型犯罪」と銘打った手口の意外性にある。犯人捜しの妙味をあえて抑え気味にし、刑事として成長した塔子の魅力に軸足を置く構成も悪くない。ロングシリーズならではの趣向だろうか2020/05/19
KAZOO
118
麻見さんのこのシリーズの文庫化9作目です。すでに新書のときに読んでいたのですが発売されての再読です。主人公のコンビがうまく解決します。徐々にこの女性刑事も進化しているような感じです。銀座のど真ん中での殺人事件で地図なども出てきたりして銀座の様子などがよくわかります。いつもながら楽しませてくれます。2019/08/22
ケイ
106
このシリーズの最初の方は因果応報と思える話が多かったなと思い出しつつ、因果を受ける方は自業自得でも、与える方は理由があれど裁かれるのだと残念に思う。抽象的だが、人を呪えば穴ふたつではあれど、なんとかそうならずに済ませることはできないものか。もっともそうすればこんな警察系エンタメ小説もできまいが。科捜研が絡むとほっこりするところ、数ページほどの登場を毎回楽しみにしている このシリーズ、あと三作。図書館待ちだ。2024/05/22
まこみん
76
文庫になるのを待って読んでいるシリーズ。今回の舞台は銀座界隈。知っている通りも出てきて嬉しい。(和光が和創、三越が加賀谷、シアタークリエがシアターダイヤ等と代わっているけど)事件の始まりは、あるショーウインドウに吊るされた男の遺体。代わりに人間そっくりなマネキンが消失。マネキンの秘密、第2、第3の事件。捜査一課の如月塔子を取り巻くメンバーとの打合せメモが、私達読者の記憶の整理としても役立ってくれて読みやすい。ミュージカルを敬遠している鷹野にもクスッと。河上の贈り物が役に立った。2019/10/21
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- 和書
- 校庭のまん中の桜の木