出版社内容情報
顕微授精や卵子凍結、男性の不妊など、妊娠と出産にまつわる切実なテーマを切り取った、七編の小説集。話題の書がついに文庫化!
内容説明
宮下夏子は三十九歳の女性弁護士。子供ができない夫婦の離婚調停に携わっているうちに「卵子凍結」のことを知り、心が大きく揺さぶられる。結婚も出産もそのうちにするものだとぼんやり思っていたら、年齢制限があるというのだ…。妊娠と出産をめぐる七つの物語。いろんな選択といろんな正解がきっと見つかる。
著者等紹介
甘糟りり子[アマカスリリコ]
1964年、神奈川県生まれ。玉川大学文学部英米文学科卒業。ファッション、グルメ、映画、車などの最新情報を盛り込んだエッセイや小説で注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっち
35
前作に続きとても読みやすく、考えさせられる内容でした。 虐待とかネグレクトとか自分で産んですぐに遺棄とか、世間で度々流れる悲しいニュースを見るたびに、欲しくて欲しくてたまらない人たちのことに思いを馳せます。最後のお話は近未来過ぎて…村田沙耶香さんの本にもそんな話があったので、飛躍し過ぎでもないのかもしれません。2021/03/25
らむちん
26
前作「産む、産まない、産めない」の続編。妊娠、出産に関わる七つの短編集。女性が男性と同じように働くようになって随分たち、様々なことが平等にと表面上は言われている。だが出産は女性にしかできず、それが可能な時期も決して長くはないため歪みが発生する。そんな悩める女性達の話。不妊治療の話も何度か出てきたが原因が女性側と思っている人が現在も多いんだとしたら悲しい。一人で妊娠できないのに。甘糟さん、最後の話、わたしは収録アリです。2019/08/02
はっち
21
先日新聞で見かけ借りてきました 結婚、妊娠、出産、育児 女性の人生で大きい変化をもたらすもの 人生は一度きり やり直しはできないけどあの時産んでいればと思う事もあればあのまま仕事を続けていれば どこかで何かを諦めるのかあの時私はこっちを選んだと思うかで折り合いをつけるしかないのかな?どの話もちょっと切なくて女性なら共感するものがあるのでは?とも思いました2019/08/16
さち@毎日に感謝♪
20
どの話も考えさせられる話ばかりでした。特に最後の話が印象的でした。2019/11/03
ろここ
17
妙齢の女性が直面する、妊娠と出産に関するモヤモヤがテーマの短編集。 不妊治療や流産、卵子が劣化するタイムリミット。顕微受精や卵子凍結などいろんな選択肢もある。産めない人生も産まない人生もある。正解はないし、行動したとおりに結果が出るものでもないし、いろんな立場を理解できる人でありたいなぁと思います。 子供を持たない=仕事に打ち込んでいる構図になりがちなのがちょっと気になるな…小梨の免罪符がキャリアウーマンである必要ないと思うんですけどね?2021/04/22