講談社選書メチエ<br> 地中海の十字路=シチリアの歴史

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講談社選書メチエ
地中海の十字路=シチリアの歴史

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  • サイズ 46判/ページ数 264p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065163283
  • NDC分類 230.04
  • Cコード C0322

出版社内容情報

長靴の形をしたイタリア半島に蹴り上げられるように、地中海に浮かぶ最大の島、シチリア島。マフィアの故郷として知られ、人気の観光地でもあるこの島は、現在はイタリア共和国の一部となっているが、しかし、古くからここは「イタリア」だったわけではない。文明の先進地域・地中海とヨーロッパの歴史を常に色濃く映し出し、多様な文化と宗教に彩られてきたシチリア島。その3000年に及ぶ歴史を描き出し、シチリア島から世界史を照射する。
シチリアの覇権をめぐって最初に争ったのは、古代ギリシア人とフェニキア人だった。その後、ローマの「最初の属州」となり、ローマ帝国の穀倉となった。中世にはイスラーム勢力が柑橘類の栽培や灌漑技術を導入し、当時の先端文明と通商ネットワークをもたらしたが、北フランス出身のノルマン人たちがこれを屈服させて「シチリア王国」を建て、栄光の時代が訪れる。さらにドイツのホーエンシュタウフェン家、フランスのアンジュー家の支配が続き、ヴェルディのオペラで知られる「シチリアの晩祷事件」を境に、アラゴン・スペインによる「長く、暗い時代」に入る。フランス革命期にはイギリスの保護下に置かれるが、19世紀にはイタリアの統一運動、すなわちリソルジメントに巻き込まれ、イタリアに併合されていく。
絶え間なく侵入した「よそ者」と、宗教・文化の交錯の過程で、シチリア人の誇り高いアイデンティティは形成された。そして今、北アフリカから小さなボートで「新たなよそ者」が押し寄せているシチリアは、まさにグローバル化した世界の台風の目となっている。

〈目次〉
序章  シチリア島から世界史をみる
第一章 地中海世界と神々の島
第二章 イスラームの支配と王国の栄光
第三章 長くて、深い眠り
第四章 独立国家の熱望と失望
第五章 ファシズムと独立運動
終章  「シチリア人」の自画像

あとがき
参考文献
関連年表
シチリア王の系譜

内容説明

絶え間なく侵入した「よそ者」と、交錯する歴史の中で、この島の人々の誇り高いアイデンティティは形成された。古くはギリシア人とフェニキア人が覇権を争い、次にローマの穀倉となり、中世にはイスラーム勢力が、そしてノルマン人が栄光の時代をもたらす。さらにフランス、スペイン、イギリスなど強国の確執―。多様な文化と宗教に彩られてきた三〇〇〇年を描き出し、シチリア島から世界史を照射する。

目次

序章 シチリア島から世界史をみる
第1章 地中海世界と神々の島
第2章 イスラームの支配と王国の栄光
第3章 長くて、深い眠り
第4章 独立国家の熱望と失望
第5章 ファシズムと独立運動
終章 「シチリア人」の自画像

著者等紹介

藤澤房俊[フジサワフサトシ]
1943年、東京生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。文学博士。東京経済大学教授を経て、東京経済大学名誉教授。著書に、『赤シャツの英雄ガリバルディ―伝説から神話への変容』(洋泉社、マルコ・ポーロ賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

89
シチリア島3000年の通史。地中海の中央、イタリア半島の爪先に位置し文明の十字路と称される。ギリシア、ローマを始め幾多の文明が積み重なる。イスラム時代を経てノルマン人による中世シチリア王国、そしてノルマンとドイツの血を引き、シチリア王にして神聖ローマ皇帝のフリードリヒ二世の登場。13世紀、フランス・アンジュー家支配になったシチリアはフランス支配に対する民衆の叛乱「シチリアの晩禱」を経てスペイン・アラゴン家の支配に…等々。その後も入れ替わり立ち替わり外国支配が続く。大航海時代になると交易中心は大西洋に移り⇒2025/02/25

サアベドラ

26
イタリア近現代史家によるシチリアの3000年に及ぶ通史。2019年刊。地中海のど真ん中に位置し、豊かな穀倉地帯としても知られるシチリア島は、古代から現代まで様々な民族が去来し、多くの外国人の統治者によって支配されてきた。それらは現在のシチリア人の民族意識の形成に大きな影を落とし、そして風土病とすら言われるシチリア・マフィアの暗躍にも影響を与えているという。単に近代化に乗り遅れた農業国の貧困が原因というわけではない。本書は現時点で唯一の邦人によるシチリア通史。シチリアを軸に地中海史の点が線につながる良書。2019/08/01

ようはん

23
ヨーロッパの各国史はあまり古代・中世が取り上げられず内容の大半が近世以降を占める事も見られるが、この本に関してはシチリアの古代・中世も丁寧に取り上げている。しかし古代から現代にかけての外部による支配勢力の変遷は本当に激しい。マフィアが生まれるのもこうした複雑さを見れば分かる気がする。2020/11/09

kuroma831

21
3000年のシチリア通史。ギリシャ・フェニキア人の植民市から始まり、ローマ、ゲルマン諸王国、ビザンツ、イスラム、ノルマン朝、ホーエンシュタウフェン朝、アンジュー家、アラゴン王国、ハプスブルク、スペイン=ブルボン、リソルジメントによる統一と、とにかく他所者に支配され続けた島の歴史は悲哀を感じさせた。ノルマン朝の栄華が記憶されるとともに、近代以降はイタリアの中での後進性の象徴となり、そりゃ屈折したアイデンティティが形成されるし独立運動も起きるわという感想。2024/11/10

風に吹かれて

16
「長靴の形をしたイタリア半島に蹴りあげられるように、地中海に浮かぶ最大の島、シチリア。(p8)」改めて地図を見ると、なるほど、その通り。そして海の向こうには、イタリアをはじめスペイン、フランス、ギリシャ、エジプト、チュニジア、さらに、もちろんドイツ、オーストリア、イギリス……。シチリアの位置は、軍事面を含め他国への進出に好都合だった。工業に不可欠な硫黄を産出し農業生産物も魅力的。シチリアは得点を得るために狙われるボールのようにあらゆる国から蹴られたのだった。 ➡  2020/07/02

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