内容説明
「住職が普段なにをしているのか」から説き起こす、「こういう時代だからこそ伝統仏教はまだまだ価値がある」というお話。リア住(リアル住職)だからこそ語れる、“宗教的実用書”。
目次
第1章 住職って普段なにをやってるの?(檀家寺と信者寺;観光寺院と新規檀家 ほか)
第2章 住職への道(「住職」を目指したキッカケ;噺家と住職 ほか)
第3章 住職とお寺あれこれ(直葬ってどうなの?;「儀礼」の重要性 ほか)
第4章 仏教界の現在(いまの仏教界は歪んでいる?;混乱の原因は明治初期 ほか)
第5章 住職という生き方(まずは「宗教年鑑」から;無縁墓は無縁ではない ほか)
著者等紹介
蝉丸P[セミマルピー]
リア住(リアル住職)。1973年、神奈川県生まれ。生家は精密機械工場を営む一般家庭ながら、高校一年生の終わり頃に発心。高野山高校に編入する形で仏門に入り、出家得度して高野山真言宗の僧侶となる。役僧として全国を放浪するなどしたのち、2000年に高野山に一旦戻り、翌年、現在住職をつとめる四国の寺院に赴任する。2002年に晋山式をとり行って正住職となってより、現在まで17年余住職をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テツ
31
お寺のこどもとして生まれたのではなく、(言い方は悪いが)職業としてお坊さんという道を選んだ著者によるお寺という存在の在り方とそこに生きる住職についてのお話。僕は存じ上げませんでしたがYouTube等を通して活動をされているようで、仏教という宗教を存続させるために意欲的な活動をされている方なんだなという印象。馴染みのない世界の馴染みのないお仕事についてのエッセイとしてとても面白かったです。信仰も宗教も本来は何ら胡散臭い存在ではないんですよね。2019/06/17
流之助
26
真面目に世相を評しているかと思えば突然ネットスラングを使いこなすなど、面白く分かりやすい語り口のためスラスラと読了。自分は幸い家族に恵まれているので、ルーツ的な部分については割と安心安全と思っていたが、最近結婚して姓が変わって少し不安になっていた。しかし、最後の方まで読むと、「自分で決めていい」といわれたようでほっとした。また「宗教名鑑」なる存在を知ることが出来たのも大きな収穫。自分の気持ちの赴くままに見てみたいと思った。2019/06/25
くさてる
19
身近にあるようでないような、お寺と住職という存在について理解を深めるのに良かった本。著者は一般家庭の出身から仏門に入り僧侶となった経歴の人で、世にあるさまざまな住職のかたちについて基本的なところを分かりやすく語ってくれます。それにとどまらず、仏教一般のところまで話も広がるのですこし散漫な感じもしますが、それも語り下ろし的な本と思えば自然にするっと読めました。2020/05/03
paumi
6
私はカトリックだが、仏教のお寺事情と全く異なることがわかった。本書は仏教の教えを語る本というより日本のお寺の事情を当事者から見て語る本だ。仏教は、地縁と血縁を重視する宗教。お葬式やお墓に関することは、自分だけが良ければいいという考えじゃなくて、周囲の親しい人たちにも配慮すべきだと改めて感じた。そしてお葬式やお墓に関することにページ数が多く割かれているのは、いわゆる日本の葬式仏教の現状を想起せざるを得なかった。面白かったので蝉丸Pにはもっと本を出して欲しい。2019/05/04
Isuke
5
図。校正が酷い。オタク?用語や単語はまったくわからなかった。ところどころの例えは、斬新で頓知が効いていて面白かった。最後の方は、何を言いたいのかまとまっていなくてよくわからなかった。何とか一冊にしよう、という意志を感じました。著者の発菩提心というか出家の動機がわかっただけでも、本書を手に取ってよかったです。2023/05/28