内容説明
ギンブナにエサをやる。シカの耳を切り刻む。培養装置のカビを取る。解剖の実習だってある。文系の恋人には理解してもらえない悩みも多い。将来は動物のお医者さんか、それとも就職するか。獣医学科で動物たちの生命と向き合う、若者たちの笑いあり涙ありの学生生活を瑞々しい文章でリアルに描いた青春小説。
著者等紹介
片川優子[カタカワユウコ]
1987年東京都生まれ。作家、獣医師。15歳の時に書いた『佐藤さん』で、第44回講談社児童文学新人賞佳作を受賞し、作家デビュー。一方で、麻布大学大学院獣医学研究科に進み、博士号を取得する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mntmt
15
リアリティ バイツ。2019/04/27
いちりんご
14
獣医学科学生たちの学園生活が描かれた青春小説。 獣医学科=獣医がほとんどの進路だろうと思っていた私からしたら、細胞レベルの研究とかシカミミを切り刻むとか、知らない世界を覗けた気がする。進路や友人関係、恋に悩みながらも自分が信じた道をまっすぐ進んでいく太一たちはかっこいいな。私も、看護学生の頃は色々夢を持ってたな〜って懐かしく感じた。2020/12/06
しばこ
10
獣医学科の学生たちの、研究室での活動やそれぞれの悩んだり学習したりといった日々が専門的な事柄を交えて生き生きと描かれていて面白かった。高校生の頃ほんの一瞬でもこういう方面に憧れたことがあったので、少しでもそういう世界を覗けた感じがした。2019/04/23
蕭白
9
まったく縁のない獣医科のお話でしたが、興味深く読むことができました。2019/05/03
つくし
6
マンガ動物のお医者さんを彷彿とさせる連作短編でした。なんでもないようで日々いろいろな事が起きている。最後の話が一番重いというか、業界と向き合っている。表紙や扉絵は可愛らしいけれど、幻想だけで進路は決められない、そんなギャップを感じました。2019/07/18