内容説明
すべてはあの「取り決め」から始まった…。平成4年、皇太子徳仁親王と小和田雅子さんが結婚で合意。そこには、いまだ伏せられたままの「事情」があった。あれから30年近くが経ち、妃から后となる彼女と新天皇は国民にどう向きあい、メディアは皇室をどう報ずるのか?成婚当時の舞台裏と夫妻の軌跡を追い、これからの皇室を問う。
目次
第1章 婚約内定
第2章 報道自粛
第3章 仕切りなおし
第4章 水俣病
インテルメッツォ 十二単とドレス
第5章 夫婦の絆
第6章 メディアに沈黙は許されない
著者等紹介
石井勤[イシイツトム]
1951年、茨城県水戸市生まれ。北海道大学文学部卒業。1978年、朝日新聞社入社。1984年4月から東京本社社会部員。警視庁担当を経て1988年9月、昭和天皇の大量吐血があった夜から、1993年6月の徳仁皇太子の結婚まで宮内庁を担当し、昭和から平成への代替わりにともなうすべての行事・儀式を取材。1992(平成4)年10月の天皇皇后の訪中時には同行記者団長を務めた。東京本社社会部長代理、くらし編集長、企画報道部長を経て、人事部長、コーポレート・コミュニケーション本部長、グループ戦略本部長、経営企画室長などを歴任。2011年から2017年まで朝日カルチャーセンター代表取締役社長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テクパパザンビア
22
面白かったかなぁ…。皇后になられた雅子さまの話を期待してたら、報道自粛、水俣病、人格否定、適応障害、象徴天皇とかで思ってたのと違う。雅子皇后これからは上皇后や宮内庁の目を気にせず昔のようにバリバリと海外出向いて皇室外交して下さい、応援しまっせ。2019/08/29
りらこ
19
先月(平成)から読み始め、様々なことを回顧しながら調べながら読むうち令和を迎え、雅子妃は皇后となられました。ご成婚までを取材していた著者、ジャーナリストとしての視点を持っているからこそ書ける部分もありまた、今回の改元時にも感じた概ねが表面的な報道で、本当に良いのか?という想いも改めて感じます。雅子妃の人生を傍から見ていると、様々な面において恵まれた、と感じる人もいれば、どうして?と思う人もいれば憧れる対象としてみる人もいるでしょう。この本はそうした見方は無く、淡々と検証しているからこそ読み応えも。2019/05/06
Totchang
12
雅子様の皇太子妃としての選考過程で起きた「報道自粛」について書かれた本。雅子様の祖父がチッソ水俣病の原因企業の社長であった下りに多大なページを割いているのは、ない行為と感じました。今のマスコミは京都アニメーション放火事件での被害者を追い回すなど、常軌を逸しているとしか思えません。報道の自由のもとに何をしても良いと思っているのでしょうか?2019/09/05
たろーたん
1
私はディストピア小説が好きなのだが、日本の皇室もなかなかにディストピア的だ。ハーバード大出身の外交官・小和田雅子が皇室に入る。英語が堪能で、ドイツ語もフランス語もできるバリキャリだったが、内外からの解任待望論とプレッシャーや子供が産めない状況に苦しむ。しかも、産んだのは女児で「次は世継ぎを」と言われる。その重圧への反発は次第に環境への不満へと変わり、徳仁は「雅子が外国訪問をすることができない状況に適応することの難しさ」を語る。しかし、それも猛反発が来る。「いつの時代の発想、秘境かよ?」と思う。2024/12/04
うらん
0
報道側の面から描かれた本。報道自粛が及ぼした影響などが記されている。雅子様の人生、果たして幸せなのだろうかと思ってしまう。。2024/09/15