出版社内容情報
『ブラックペアン1988』から20年。世良雅志、院長就任! 財政破綻した街の超難題は、「救急医療」だった。人気シリーズ新装版
内容説明
ついに財政が破綻してしまった極北市。市民病院の立て直しのために新院長、世良雅志が就任した。医師は二人だけ、看護師の多くをリストラした病院に、市は救急対応を要請するのだが…。一方、極北救命救急センターにレンタル派遣された今中は、東城大から来た医師、速水と出会う。傑作医療エンターテインメント!
著者等紹介
海堂尊[カイドウタケル]
1961年、千葉県生まれ。医師・作家。1988年千葉大学医学部卒。1997年千葉大学大学院博士課程修了。『チーム・バチスタの栄光』(2006年/宝島社刊)で第4回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PEN-F
50
ずっと1人で闘ってきたんだな。医療を叩いて利益を得ようとする邪悪な意思から、無垢な市民と善良な医療を守るために、世良先生はずっと1人で。正しい事をしているはずなのにいつも周りには敵。既得権益にしがみつく者、無知で無能だが自己保身の塊。ずっと1人で闘ってきたから孤独だと思っていたのかな。自分自身でも気付かなったのかな。でもやっと極北の地で気付いた。振り返ればたくさんの心強い味方がいたということに。真は正義なり!2020/11/26
森林・米・畑
22
救急救命と地域医療の理解を深めながら物語を絡めて学べた気がする。ブラックペアンから世良医師を追いかけてきたので、このシリーズは一段落かな。最後は熱くなるお話で良かった。ここで出てきた速水医師(血まみれ将軍)を知らなかったのでそっちの方も読んでみたくなった。2022/04/03
来未
19
北海道の財政破綻した地方自治体「極北市」を舞台に地域医療崩壊の危機を描く本作。ブラックペアンでお馴染みの世良雅志医師が極北市民病院の院長として登場する。地域と医療、救命救急の対応、ドクターヘリの運用、ドクタージェットの検討など北海道の地域性や課題が克明に描かれていた。医療の本質を追求する為には人が必要。そしてお金が必要。正論と現場の狭間で戦う世良院長の姿はドラマの印象とは違った。まっすぐな印象の世良医師は東城大から離れた後、何があったのか興味深い。また、花房看護師の登場もシリーズ作品の面白さだと思った。2024/08/11
LUNE MER
16
世良篇完結、と思えるラスト。本作にはジェネラル・ルージュこと速水とかつての恋人・花房も登場するのでアラフィフにして世良の青春の総括。田口・白鳥シリーズは未読なのでこれから時を遡りながら彼らの過去を堪能するとしよう。2024/09/05
ミキ
10
2023-27:体調不良で読むペースが激落ちですが、内容はとても面白かったです。後藤先生がちゃんとした医師になっているのがわかってよかった。桃倉センター長が『医学のたまご』の桃倉さんだとあとがき読むまで気づかなかった。2023/06/03