講談社文芸文庫<br> この百年の小説―人生と文学と

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講談社文芸文庫
この百年の小説―人生と文学と

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784065143223
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

出版社内容情報



中村 真一郎[ナカムラ シンイチロウ]
著・文・その他

内容説明

西欧に百年以上遅れ、その成果を追いかけながら発展してきた日本の近代文学は、一般の想像以上に大いなる成果を挙げた。その多様な宝庫から、漱石、谷崎、芥川、三島、大江他、百余の作品を取りあげ、「人生と文学」を巡り読み解いていく。面白くて挑発的。日本近現代文学入門としても秀逸。博覧強記の詩人・小説家・批評家が遺した、ユーモアとエスプリ、イロニーに満ちた、名著。

目次

青春
恋愛
老年
少年
心理
感覚
家庭
社会
歴史
滑稽
西洋

著者等紹介

中村真一郎[ナカムラシンイチロウ]
1918・3・5~1997・12・25。東京生まれ。東大仏文科卒。1942年、福永武彦、加藤周一らと「マチネ・ポエティク」を結成し、47年『1946・文学的考察』を刊行する一方、『死の影の下に』で戦後派作家として認められる。以後、小説、詩、評論、戯曲、翻訳と多分野で活躍。王朝物語、江戸漢詩にも造詣が深い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

61
小説の方法論において、昔の作家は西洋文学に取材していたことがよくわかった。いま入手しにくい作品も多く紹介されているけれど、せっかく大学にいるんだからいろいろ読んでおきたい。大江健三郎の評価がとても高かった。2019/03/12

カブトムシ

21
歴史小説における「文体」の問題を考える時、やはり希有の成功を示している作品。井伏鱒二『さざなみ軍記』。これは寿永年間の平家没落の有様を、一門の少年(知盛の子供という想定らしい)が書き残した逃亡記を、作者が現代語に訳してみた、という体裁になっている。勿論、純然たる空想の産物であるが、しかし平家の逃亡する瀬戸内海の沿岸の風物は、その地の出身の作者の熟知するところであって、本当に当時の少年貴族の日記を、その日その日の記事を追って読んでいるような錯覚におちいらせるように、精彩に巧妙に描き出されている。(p223)

カブトムシ

18
(夏目漱石)『三四郎』は、非常に成功した小説で、一時、地方出身の大学生を世間で「三四郎」と呼ぶくらいになった。この小説が文学的に「成功」したのは、作者自身がもう青春の混乱を脱して、四十歳の成熟期に入ってから書いたせいもある。(p14)私は外国文学はほとんど読んでいないが、ジッド(アンドレ・ジード)というフランスの小説家の『狭き門』という青春小説も作者が四十代に書いたものだそうである。さらに私は長編小説よりも短編小説を好むが、司馬遼太郎は講演テープの中で、漱石作品の中で「『三四郎』が一番好き」と述べていた。

naotan

11
この方面は多少知ってるつもりでいたけど、初めて名前を見る作家もいて読んでみたくなった。でも、夏目漱石以前の文体を読みこなせるかな。2022/09/02

織沢

8
初めての中村真一郎。紹介される小説の大半が未読のものでしたので、所々「小説を読んでからもう一度この項を読んでみたいな」と思う部分がありました。著者は学生時代、膨大な数の本(小説に限らず)を耽読して来た方なので、その読書経験から繰り出される近代小説史はバリエーションに富んだ読書案内としても活用できそうな印象でした。2019/01/31

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