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出版社内容情報
裁判官たるもの「カラス」であれ!日々振り回されながら、被告人に向き合う中で成長していく物語
妻を失った老人は、包丁を懐に病院に現れた…みちおの美しくも優しい【判決理由】全文が法曹界でも話題となった「ホームレスと病院編」。一人で子育てする主婦が、再び犯した万引き事件…「クレプトマニア編」。ほぼ全員ヘンな人の第一刑事部(イチケイ)で、カタブツ判事補・坂間のポリシーも揺らぐ? 裁判官&裁判所のイメージが変わるリーガル・エンターテインメント!
浅見 理都[アサミ リト]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
127
罪は罪。償わなくちゃいけない。でも、ホームレスだからという理由で、おざなりな治療しか受けられず妻を亡くした怒りと悲しみにも、万引きを止められない母の公判を見に行く為に、リュックをしょって電車やバスを乗り継ぐ6歳の健気な姿にも涙が出てしまうんだ。罪を犯した人間に罰を与える事だけが裁判じゃない、もう2度と罪を重ねさせない為にはどうしたら良いのか、そこまで考えて悩みながら量刑を定める、その真摯な姿に胸を打たれた。悪人顔の井出検事、ほんとは良いひとだったんだ。彼の過去も知りたくなってしまう。2021/05/14
りらこ
22
入間さん怒る。やる気のない弁護士に対しての静かで大きな怒り。なんだろう、ジャンキーな食生活と見た目なのにものすごくかっこよく見えて、シュッとしている坂間さんはあれ?そんなにかっこよくないよねぇってなる笑。みちおファンクラブまであるなんて、コアな世界だなぁ。2021/05/30
にゃむこ@読メ13年生
21
ホームレスの被告に対するみちお裁判長の、縦書きでまるっと1ページを費やした判決理由の表現方法は、他の作品では類を見ない初めて見る手法で、じーっくりと読んでしまった。コミックで「読んだ」のです。その後の被告が人生を建て直して桃園で働き、みちお裁判長に宛てた手紙はグッときた。対して坂間の担当案件は、万引きを繰り返す主婦。これはクレプトマニア、という病で更生プログラムもあるようだ。介護が必要な義母と小学生の娘を抱え、夫は海外勤務、と家庭内孤立状態。でも、娘は頑張ってるママのことをちゃーんと見ていたよ!2022/02/25
あまね
15
司法の世界にも将来AIが用いられると言われていますが、AIに人を裁けるのだろうかと問うている巻だと思いました。巻末に書かれていた原田國男さんの『裁判の非常と人情』、『逆転無罪の事実認定』を是非読んでみようと思っています。2018/12/23
モルテン
13
おお、1巻より格段に面白い。「意味のあることをするたびに褒美がもらえると思っちゃいけないわよ。特に刑事弁護の世界ではね」(引用)。私は弁護士ではないけれど、このセリフに大いに共感した。どんなにその人のために尽力したとしても、結局行動するのは/行動するか決めるのは、その人本人なのだ。また、別のエピソードで執行猶予中の再犯に罰金刑を課した入間裁判官が、再犯を予測していながらそうしたのはさすがと思った。再犯するかしないかは信じるとか信じないとかいう話ではない。再犯要因があるかどうか、なのだ。2019/01/03