出版社内容情報
聖人の遺骨や身に触れたものなど「聖遺物」はキリスト教社会の中でいかに重んじられたか。聖職者・民衆の熱狂と芸術への昇華の過程。聖人の遺体や遺骨・遺灰、聖人が身にまとったものや触れたものは「宝石や黄金より価値がある」とされ、芳香や光を放ち、腐敗しないと信じられた。死人を蘇らせ、病気や怪我を治し、現世の罪を清めて天国に導く力を持つとされた聖遺物。教会はその聖性と効験を、聖堂の装飾、祭壇画や黄金のシュライン(聖遺物容器)などさまざまな造形で民衆に訴えかける。救済と奇跡を求めたキリスト教社会の熱狂と芸術への昇華の過程を辿る。
秋山 聰[アキヤマ アキラ]
著・文・その他
内容説明
ヨーロッパ中世、民衆は聖なるものが持つパワーに限りない憧憬を抱く。宝石や黄金よりも価値があり、病気を治癒し罪も清めるとされた聖遺物。聖人の遺体や遺灰、また身にまとったもの、手に触れたものは、教会の宝物となり民衆を惹きつける。救済と奇跡を求めたキリスト教社会の熱狂と、それら遺物の展観形態が芸術へと昇華される過程をたどる。
目次
第1章 聖遺物の力
第2章 トランスラティオ(聖遺物奉遷)と教会構造
第3章 黄金のシュライン―聖遺物を納める容器
第4章 聖遺物容器のさまざまな形態
第5章 聖なる見世物―聖遺物/聖遺物容器の人々への呈示
第6章 聖なるカタログ
終章 聖性の転移
著者等紹介
秋山聰[アキヤマアキラ]
1962年、神戸市に生まれる。東京大学大学院人文科学系研究科博士課程満期退学。哲学博士(フライブルク大学)。現在、東京大学大学院教授。専攻は西洋美術史。主な著書に『デューラーと名声』(中央公論美術出版、第七回地中海学会ヘレンド賞/第二回日本学術振興会賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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